患者に説明をする医者

逆流性食道炎、1980年代から今に至るまで増加し続け、内視鏡検査での増加の推移を 発表したデータによればなんと今では4倍の人が逆流性食道炎になっています。

今回は逆流性食道炎とストレスの関係性の解説、原因・症状・検査・治療・予防法をお伝えします。






逆流性食道炎とストレスの3大関係!対処法とは


1)逆流性食道炎の3つの代表的症状

逆流性食道炎は呼んで字の如く、胃の中で胃液と混ざり合った食べ物や胃液そのものが食道に逆流する病気です。その為以下のような症状が主に見られます。 

(1)胸焼け 

胃液は強い酸性のため、食道に逆流すると食道の粘膜を刺激して食道の粘膜がただれたり、潰瘍ができたりします。

そうしたことから「みぞおち」や「のど」が焼けるような胸やけ症状を訴える方もいますが、胃食道逆流症では主に前胸部灼熱感という「胸が本当にチリチリ焼けるような」胸焼けを訴える人が多いです。 

(2)吐出と呑酸感 

本来逆流する事がない作りであるために「胃液や胃内容物が食道やのどあるいは口の中へ逆流する違和感「吐出感」を感じたり、胃の内が強い酸性であるためそれが「口がすっぱくなる感じを与える「呑酸感」を感じさせます。 

(3)咽喉の異常 

逆流したものがかなり上の方まで来ている時は咽喉にまで粘膜がただれたり、潰瘍ができたりすることもあり、咽喉の痛み、つっかえる感じ、嗄声(しわがれ声)、異常な咳といった「咽喉の異常」が出ることもあります。

2)逆流性食道炎の4大原因

(1)加齢

内臓はどうしても寿命と共に劣化するものであり、加齢で起こるからだの以上は実に多いです。

逆流性食道炎では加齢により、「下部食道括約筋(LES)」と言う胃から食道への逆流を防いでいる筋肉の衰えで、逆流しようとするものを押さえつける力が弱くなることに 関係します。 

(2)食事の影響 

食べ過ぎたり、脂肪の多い食事をとると胃の働きが悪くなり、胃と食道の問にある「噴門」 が開きやすくなります。

そうなった時に空気がでれば「げっぷ」、胃液がでれば「逆流」になります。またカフェイン、アルコール、タバコなどで下部食道括約筋がゆるんだり、胃酸が増えたりすることでも逆流性食道炎の原因になります。 

(3)腹部の圧迫 

物理的に胃を締め上げるという事でも逆流性食道炎が起こる原因になります。つまり肥満やお腹を締め付けたり、重いものを持つことにより胃が圧迫され、内容物が上にも逆流しやすくなるわけです。 

(4)ストレス 

今回一番注目したいところはココ。単純な心因性の胃酸過多に加え、下部食道括約筋機能の低下もストレスによる自律神経症状として起こり得ます。 

3)逆流性食道炎とストレスの3つの関係

より詳しくストレスとの関係性を紹介するなら以下の3つがあげることができます。 

(1)胃酸過多 

先程触れたようにストレスが強くかかると胃酸過多の状態になります。当然胃酸が多ければ多いほど逆流しやすく、逆流すれば粘膜を刺激して粘膜がただれたり、潰瘍ができたり原因になります。 

(2)自律神経の働きが鈍ることの影響

自律神経は言わば体の司令塔。ストレス対処をするためにはこの自律神経のリソースをかなり割くので、ストレスが強くかかればかかるほど他の機能への命令伝達が悪くなり、消化器官の機能低下や、防衛本能による一部の機能のみの活性化を起こすため逆流性食道炎の原因になります。 

(3)食道知覚過敏 

ストレスが強くかかる状態であると食道粘膜の胃酸に対する感受性を高めてしまうのです。

コレが「食道知覚過敏」と言う状態であり、この状態になると胃酸が少し逆流しただけでも、食道粘膜が過敏に反応し、強い胸焼けが生じるようになります。 

Woman lying down

4)男性・女性のストレスの違いと逆流性食道炎の2つの関係 

2010 年、The Children’s Hospital of Philadelphia が行った脳科学実験により、ストレスについての男女差の生物学的証拠と言える発見がなされました。

結果から言うと女性の方がストレスを感じやすいのだそうです。女性は男性に比べて脳と体の構造上、瞬発力や筋力に劣るので、異常事態にいち早く気付く、又は敏感である必要性から発達した特徴と考えることができます。

そしてそのことが逆流性食道炎とも関係しています。 

(1)女性の方が疾患しにくい

日本消化器病学会の発表によると男性 18.9%,女性 14.3%で男性に逆流性食道炎の頻度が有意に高いとしています。

ストレスを感じやすいはずの女性の方が実は逆流性食道炎疾患数が少ないのです。女性の方がストレス耐性が高いという可能性もこの事から言えます。 

(2)女性は40代を超えると急増

逆流性食道炎の発祥は女性が40代を超えると急増すると言う結果が、「逆流性食道炎の危 険因子の検討」と言う研究で出ており、ストレス性でないものに関しては女性の疾患の方が多いということが考えられます。 

5)今日からできるストレス緩和への3つの対処方法

ストレスと逆流性食道炎に関係がある事からココでは特に効果的なストレス緩和法をご紹介します。 

(1)しっかりした睡眠 

睡眠不足自体もストレスをかけることになる他、脳や体に疲れがたまると、仕事でミスが 増えたり、精神的に不安定になったり、体調を崩したりするなど、ストレスを増やすことになります。

その為朝起きたときに頭や体がスッキリしない、よく寝たつもりなのに日中眠くなるという人は、睡眠の「質」に気を配りましょう。 

(2)筋弛緩法 

ストレスを感じると、無意識に筋肉が緊張して体がこわばり、リラックスしているときは、自然に筋肉がゆるんで体の力が抜けているものです。

この体と心の作用を利用したのが筋 弛緩法で、意識的に「体のパーツに力を入れては脱力する」という動作を繰り返すことで、 心身をリラックスさせることができるのです。 

(3)運動 

ストレス解消のためにも効果がありますが、それ以上に運動をすることにより逆流性食道炎の原因となる「肥満」や「便秘」への効果も期待できます。 

6)自律神経を整える3つの飲み物

「逆流性食道炎とストレスの3つの関係」で触れたように消化器官系を管理する自律神経を整えることで逆流性食道炎になる可能性を下げることが出来ます。

そこでそんな自律神 経を整えるのに有効な飲み物をご紹介します。 

(1)ココア

ビタミン B1、カルシウムが豊富なだけでなく抗酸化物質として知られるポリフェノールが豊富です。 

(2)ハーブティー 

香りにリラックス効果があることで有名です。他にも種類によってはビタミンも豊富で、副交感神経の働きを良くし、不安感やいらいら感などのストレスを解消してくれる働きもあります。 

(3)炭酸水 

炭酸入り飲料ではなく、純粋な炭酸だけが含まれた炭酸水です。

自律神経の中の交感神経をおちつかせ副交感神経を優位にしてくれる効果があります。乳酸を体内から出して筋肉の疲労回復をしたり、血行を促進してくれる効果もあります。 

Medical doctor woman looking in clipboard

7)逆流性食道炎への3つの食事のポイント

逆流性食道炎は「逆流性食道炎の4大原因」でも触れたように食事の影響で起こることも あります。そこで以下の3つのポイントに注意しましょう。 

(1)食べ過ぎない 

実に当たり前の事ですが沢山食べれば胃酸の分泌量は増えますし、胃内の圧を上げます。 消化器官に負担をかけることにもなりますので、そう言った面でも食べ過ぎは逆流性食道炎を誘発します。 

(2)脂肪分の多い食事を避ける

脂肪分の多い食事をすると、十二指腸からコレシストキニンというホルモンが分泌され、 下部食道括約筋がゆるんだり、胃酸が増えたりします。

これは、脂肪がほかの栄養素に比べて消化に負担がかかるからです。そのため、脂肪分の多い食事を好んで食べる人にも、 逆流性食道炎が起こりやすくなります。 

(3)悪影響のあるモノを控える

「逆流性食道炎の4大原因」でも触れたようにカフェイン、アルコール、多すぎる糖分、香辛料、柑橘類、そしてタバコなど特定の成分摂取で下部食道括約筋がゆるんだり、胃酸 が増えたり胃内での食物の停滞時間が長くなることなどで逆流性食道炎が起こりやすくな ります。 

8)逆流性食道炎ですべき3つの治療方法

もし逆流性食道炎かもしれないと思ったらまず内科で症状を説明してみてもらうことをオススメします。

その後、「がん」などの異常を鑑別するため、胃カメラを行うのが基本の流れ。その後の治療方法としては以下の3つが考えられます。 

(1)生活習慣の改善

軽度の場合、医師の指導の下で経過観察となります。

(2)投薬治療

薬による治療を始めると、多くの方では、すみやかに症状はなくなります。

ただ、症状が なくなっても、食道の炎症、びらん、潰瘍はすぐに治るわけではありませんので、しばら くは薬を飲み続ける必要があります。一般的には、保険適用で、合計1万円以内で完治するケースが多いです。 

(3)手術 

生活習慣の改善や薬で効果がなかった時、再発を繰り返す時には、手術を行うことがあります。費用は全身麻酔と1週間程度の入院がセットになりますので保険適用で10万円前後となります。






今回のまとめ 

1)逆流性食道炎の3つの代表的症状

2)逆流性食道炎の4大原因

3)逆流性食道炎とストレスの3つの関係

4)男性・女性のストレスの違いと逆流性食道炎の2つの関係

5)今日からできるストレス緩和への3つの対処方法

6)自律神経を整える3つの飲み物

7)逆流性食道炎への3つの食事のポイント

8)逆流性食道炎ですべき3つの治療方法