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子宮筋腫は良性腫瘍なので、見つかったからといっても過剰に反応する必要はありません。

ただし妊娠への影響や月経、貧血といった日常生活への影響があることもあるため、医師と相談しながら適切な治療法を選択してください。今回は子宮筋腫の痛みの原因や治療法をお伝えします。






子宮筋腫の痛みの3大原因!2つの治療法とは


1)子宮筋腫とはどのような病気か

(1)女性ホルモンに影響

子宮の筋肉から発生する良性の腫瘍が、子宮筋腫になります。

筋腫は腫瘍ですから次第に大きくなりますが、その成長は卵巣から分泌される女性ホルモンに依存しています。そのため、閉経すると子宮筋腫の多くは縮小します。 

(2)女性の病気で最も多い

子宮筋腫は女性の病気の中でも、とくに多い病気で成熟期の女性に多く、40歳の女性の4人に1人は子宮筋腫をもつといわれています。

実際には、ごく小さな米粒ぐらいの筋腫まで含めれば、ほとんどの人が持っているといわれています。

2)子宮筋腫の痛みの4つの代表的症状

子宮筋腫の半数以上が無症状ですが、筋腫の発生する場所や大きさによっては以下の症状が起こります。

(1)月経時の異常

症状が重かったり、出血が多くなったり、出血する期間が長くなったりします。

(2)妊娠への影響

筋腫ができた場所や大きさによっては、不妊や流産の原因になります。

(3)排泄への影響

筋腫が大きくなると腹部が圧迫され、頻尿や便秘の原因になります。

(4)下腹部痛・腹痛

下腹部のしこりや、下腹部痛、腰痛の原因になることもあります。

3)子宮筋腫の痛みの3大原因

(1)粘膜下筋腫

子宮の内側を覆う子宮内膜に形成される筋腫で、子宮の内部に向かって大きくなります。

子宮筋腫のうち約10%と発症する確率は低く筋腫も小さいです。

症状が重く、不正出血、月経時の出血量の増加や月経期間が10日以上続く「過多月経」、ひどい月経痛、貧血、動悸や息切れなどの原因になります。

不妊や早産の原因となりやすく、手術が必要になるケースも多いです。

(2)筋層内筋腫

子宮の壁にある筋肉の中で大きくなる筋腫で、小さいときはほとんど無症状です。

筋腫が大きくなった場合は子宮を変形させ、過多月経の他、頻尿、便秘、下腹部痛や腰痛を引き起こします。できた場所や大きさによっては不妊や流産の原因にもなります。

子宮筋腫のうち約70%と最も多い筋腫です。

(3)漿膜下筋腫

子宮の外側をおおう漿膜にできる筋腫で、子宮の外側に向かって大きくなります。

無症状の場合がほとんどなので気づきにくく、症状が表れたとしても下腹部のしこりや、下腹部痛、腰痛、頻尿といった軽いものが多いです。筋腫がねじれると急激な腹痛が起こります。

中には1~2㎏まで大きくなる筋腫もありますが、自覚しづらいため、見過ごされてしまいがちです。

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4)子宮筋腫の痛みへの検査方法

子宮筋腫の疑いがあるときは、婦人科で診察を受けることになります。子宮筋腫は自覚症状がない場合が多いですから、普段から定期的に検診を受けることをおすすめします。

疑われる場合は下記の3つの検査が主に行われます。

(1)接触

(2)超音波検査

(3)MRI

子宮筋腫の有無は触診と超音波検査でほぼわかります。

現在ではMRI(磁気共鳴画像診断装置)によって子宮内部の様子を外から観察し、診断が可能となりました。MRI は、CTと同じように筒状のトンネルの中に入り、撮影します。

下記の場合には専門医の診察を受けてください。

・月経時に出血量が多い期間が長い

・仰向けに寝て下腹部を触るとこぶのようなものが感じられる

・排便の際、下腹部(子宮のあたり)に痛みを感じる

・頻尿などの自覚症状がある場合

5)子宮筋腫の痛みへの2つの治療方法

症状がない場合は、筋腫の成長度合いや症状を経過観察して様子を見ます。子宮筋腫が大きく、症状がひどい場合は薬物療法によって症状を軽減したり、筋腫の成長を抑えたりします。

薬物療法によって症状が抑えきれない場合や、妊娠を希望する場合には、子宮筋腫を摘出する手術が行われることもあります。

(1)薬物療法

ホルモン療法によって、女性ホルモンの分泌を一時的に停止させる方法です。月に1回注射を打つ方法や1日に2~3回、鼻に噴霧する方法などがあります。

これによって筋腫の重さを半分から3分の2くらいまで縮小させることができます。

この方法は人工的に閉経したのと同じような状態をつくるため、更年期障害が現れ、骨粗しょう症のリスクも高めることになります。

そこで、使っても半年が限度とされています。その後、半年治療を中断すれば、骨も元に戻り骨粗しょう症のリスクも低下しますが、筋腫もまた元の大きさに近く戻ってしまいます。ですから、根本的な治療にはならないのです。

最近は、もうじき閉経になるという人や、手術の前に月経を止めて貧血を治したり、筋腫を小さくさせるなど、補助的な意味合いで使われることも多いようです。 

(2)手術

手術で筋腫を摘出する場合、筋腫のみを摘出して子宮を残す方法と、筋腫ごと子宮を摘出する方法とがあります。

どの方法を選ぶかは、年齢や妊娠の希望の有無、筋腫の状態、症状の程度などによって決められます。

開腹手術だけではなく、腟から子宮をとる手術や腹腔鏡など内視鏡によって開腹せずに行う手術もあります。

子宮に栄養を供給する子宮動脈を人工的に詰まらせて、筋腫を栄養不足にして小さくする「子宮動脈塞栓術」という治療法もあります。

X線でモニターしながら大腿部の動脈から子宮動脈まで細い管を挿入し、詰め物を詰めます。近年では多くの施設で行われるようになりました。 

手術費用は、どの場合でも20~25万円前後といわれています。

6)子宮筋腫の痛みへの予防について

(1)十分に解明されていません

子宮筋腫が発生する原因は、現在のところ、十分には解明されていません。

治療を必要とする症状を伴うようになるかどうかは個人差が大きく、長期間筋腫の大きさがほとんど一定している場合もあります。

(2)体を冷やさない

ただ、統計を見ると、下半身を冷やしている人、運動をしない人、過度のストレスにさらされている人が発症しやすい、などの傾向もあるようです。

予防としては、体を冷やさないように注意し、適度にストレスを発散させ、やはり適度に運動をするような生活を心がけるのが効果的なのではないかといわれています。






今回のまとめ

1)子宮筋腫は良性の腫瘍です。自覚できる症状がない場合が大半であり、たとえ発見されたとして生活に支障がない限りは経過を見るだけで終わる場合もあります。

2)自覚症状がある場合はもちろんのこと、自覚症状がない場合でも定期的に婦人科で検診を受けることが早期発見につながります。

3)治療を必要とする場合、薬物を使用して筋腫を小さくする方法と手術によって筋腫を排除する方法とがあります。

根治をするためには手術が必要となりますが、患者の状態や希望などによって治療法を選択することができます。

4)原因が不明のためしっかりとした予防法は確立していませんが、体を冷やさないように注意し、適度にストレスを発散させ、適度に運動をする生活を送ることによって、ある程度は発症を防ぐことができるようです。