診察を行う医師

女性であれば誰しも子宮の痛みを感じると不安になるものです。その不安がストレスを生み、ますます痛みを悪化させてしまうことがあります。

子宮の痛みを改善するためにも原因、考えられる病気、予防ポイントをについてお伝えいたします。






子宮の痛みの4大原因!病気の可能性とは


1)子宮の痛みの2つの代表的症状

(1)月経時に痛みを激しく感じる

ズキズキとうずくような耐え難い痛み

(2)月経時でもないのに、子宮に痛みを感じる

子宮だけでなく、腰部にも痛みを感じる

2)子宮の痛みの4大原因

(1)身体の冷え

月経の後期は、骨盤を中心に血流が悪くなります。そのため身体が冷え、下腹部に鈍痛、腰痛を感じることがあります。

子宮は冷えに弱いので、薄着などで冷やさないようにしましょう。

(2)ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れが、子宮の痛みを強くすることがあります。

(3)子宮外妊娠

子宮の外で妊娠してしまうことをいいます。全妊娠数の約1~2%の頻度で起こり、全分娩の約2~3パーセントといわれています。

(4)病気

病気が原因で起こることがあります。

3)子宮の痛みで考えられる2つの病気

(1)子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。30~40代の3人に1人が子宮筋腫を持っているといわれています。

原因ははっきりとはしていませんが、女性ホルモンの影響で筋腫が大きくなると考えられています。

子宮筋腫の種類は、できる箇所で分類され、子宮の厚い筋層にできる「筋層内子宮筋腫」、子宮の外側を覆う漿膜下にできる「漿膜下子宮筋腫」、子宮の内側の粘膜下にできる「粘膜下子宮筋腫」になります。

この内、下腹部痛を起こしやすいのは、「筋層内子宮筋腫」と「漿膜下子宮筋腫」です。

主な症状は、月経困難症、月経過多になります。筋腫のできた場所、大きさによっては自覚症状がないことがあります。

(2)子宮内膜症

20~40代の女性を中心に急激に増えている疾患です。昭和40年代と比較して、3倍近くに増えているといわれています。

子宮内膜症は、子宮の中だけにあるはずの組織「子宮内膜」が、卵巣、子宮筋層など、子宮以外の場所にできてしまう病気です。

原因は、はっきりとはしていません。子宮内膜症は、生涯の月経数が多いほどリスクが高くなります。

そのため昭和40年代の女性に比べて、妊娠する年齢が遅く、出産回数も少ない現代女性の発生率が多くなっていると思われます。

最近では、20~30代の患者数も増加しています。主な症状は、月経痛です。月経を重ねる度に段々ひどくなるのが特徴です。

月経中に排便時の痛みや下痢、頭痛や嘔吐、発熱が起こる場合、進行している可能性があります。

4)子宮の痛みへ実践できる2つの対処方法

痛みの原因が婦人科系の病気でないとわかっている場合に行うようにしてください。病気の場合は医師の指示にしたがって、治療するようにしましょう。

(1)ホルモンのバランスを整える

ホルモンバランスの乱れが子宮の痛みを増幅することがありますので、バランスを整えるようにしましょう。

女性ホルモンの分泌をコントロールしている脳の視床下部は、ストレスの影響を受けやすいため、ストレスをためない生活を送ることが大切です。

アロマオイルには女性ホルモンによい影響を与える成分の含まれたものが多くあります。リラックス効果もあり、おススメです。

自分なりのリラックス法を取り入れ、ストレスのない生活を送るようにしましょう。

(2)冷えのない身体をつくる

冷え性の女性は多いですが、冷えは全身の血行を悪くしてしまいます。血行が悪くなると経血の流れも滞り、子宮の痛みを悪化させることにつながります。

薄着をしない、冷たいものを摂らない、適度な運動をするなど、日頃から血行をよくし、身体を冷やさない生活を心掛けましょう。

5)子宮の痛みに注意すべき4つの食事ポイント

子宮が痛い時は身体を冷やさない食事を摂ることが大切です。次のポイントに気をつけて、身体を温める食事を摂るようにしましょう。

(1)身体を温める食材を摂る

【根菜類を食べる】

地下で育った食材、根菜やイモ類はそれ自体に熱があるので、太陽から逃れるために地面の下へ深く伸びて育ちます。

だからこそ、私達の身体を温めてくれるのです。

ニンジン、大根、ゴボウ、蓮根、山芋、ジャガイモ、サツマイモなどを上手に取り入れるようにしましょう。

【色の黒い食材を摂る】

黒豆、ひじき、黒ゴマなど黒色に近い色の食材は、身体を温める効果があるといわれています。

【濃い色の食材を選ぶ】

白ごまより黒ゴマ、白米より玄米など、色の濃い食材の方が身体を温めるといわれています。迷った時は、色の濃い方を選ぶようにしましょう。

【身体を温めるスパイスを使う】

胡椒、生姜、ナツメグ、シナモン、山椒、八角などのスパイスは、身体を温めてくれます。上手に取り入れて身体を温めましょう。

(2)食材は温かくして食べる

身体を温めてくれる食材も、温めることにより、より陽性に近づきます。野菜などは温野菜にするなど、温かくして食べるようにしましょう。

飲み物もアイスではなく、ホットドリンクを飲むようにしたいですね。

(3)たんぱく質を摂る

蛋白質を摂ると、消化の時、胃が熱を発し身体を温めてくれます。肉類、魚介類、卵などを意識して摂るようにしましょう。

牛乳は良質なたんぱく質を含んでいるので、喉が渇いた時にはホットミルクなど飲むのがおススメです。

(4)朝ごはんをしっかり食べる

朝ごはんを抜くと体温が上がらず低体温のままになり、血液がうまく循環できなくなります。食欲がない時でもココアなど、血行を良くし、身体を温めてくれる飲み物だけでも摂るようにしましょう。

6)子宮の痛みにすべき10の検査方法

子宮に痛みを感じる場合、婦人科を受診します。検査内容、費用等は、症状によって異なります。

(1)問診

症状、痛みがある場合はその強さや場所、月経について質問されます。自分の状態を事前に把握しておくようにしましょう。

(2)視触診

子宮筋腫が疑われる場合は、しこりに触れる検査が必要なため、視触診検査が行われます。

子宮筋腫のしこりは自分でも確認することができるので、乳癌と同じく、自己管理の一つとして日頃から行うのもいいでしょう。

(3)内診

膣鏡という医療器具で、子宮の状態やオリモノの有無などを確認します。触診は腹部と膣内の両方から同時に行い(双合診)、子宮や卵巣の状態をみます。

子宮の形、しこりがある場合は位置や大きさを把握することができます。

(4)血液検査

身体のどこかに異常があると血液の成分に影響が出るので、血液検査をすることによって、健康状態を知ることができます。

(5)子宮卵管造影検査

子宮口から子宮内膣に管を差し込み、子宮内に造影剤を注入し、レントゲン撮影をします。子宮内膜症がある場合、準備段階から痛みを感じることがあります。

子宮全体の状態を診ることのできる検査方法です。

(6)超音波(エコー)検査

腹部に機械をあてる「経腹超音波検査」と膣内部に機械を挿入する「経膣超音波検査」があります。

(7)CT検査

CT検査は、放射線(エックス線)を使った検査で、子宮の状態を断層撮影で確認します。診察費用が高くなるデメリットがあります。

(8)MRI検査

磁気によって断層撮影を行います。MRI検査は、放射線の被爆の危険性がないという利点があります。

超音波検査よりも正確に、子宮の状態を診ることができますただ、診察費用が高くなるというデメリットがあります。

(9)内視鏡検査

内診だけでは診断しがたい場合に行われる、内視鏡を使った検査です。膣から内視鏡を挿入して、視診します。

7)子宮の痛みにすべき2つの治療方法

(1)子宮筋腫の場合

子宮筋腫の治療には、手術による治療と薬物治療があります。

<薬物治療>

薬物治療には2種類あり、筋腫がそれほど大きくなく痛みもない場合、対症療法を行います。

対症療法で不十分な場合は、人工的に閉経状態を作り子宮筋腫の縮小をはかるホルモン療法が行われます。

閉経が近い女性に閉経にまるまでの一時的な処置として用いられたり、手術までの一時的な療法として用いられます。

<手術治療>

子宮を全て摘出する「子宮全摘出手術」と子宮を温存しながら筋腫だけを取り除く「子宮筋腫核出手術」があります。

・筋腫によって子宮の大きさが握りこぶしを越える大きさになった時。

・筋腫が大きくなくても症状が重い時。

などに手術が行われます。手術の方法には、「開腹手術」、「経膣的手術」、「腹腔鏡手術」の3種類があります。

(2)子宮内膜症の場合

子宮内膜症の治療には、手術による治療と薬物治療があります。

<薬物治療>

痛みを取り除く「対症療法」、ピルを使って、子宮内膜症に伴う月経困難症の症状を軽くする「偽妊娠療法」、人工的に閉経状態を作り出す「偽閉経治療」、女性ホルモンの分泌を抑え、病巣の縮小と症状の改善をはかる「ジェノゲスト療法(黄体ホルモン薬)」があります。

<手術治療>

妊娠を望む場合は「保存手術」を、望まない場合は「根治手術」を行います。どちらも手術の方法には、「開腹手術」と「腹腔鏡手術」があります。

8)子宮の痛みへ日常からできる5つの予防ポイント

(1)食習慣

子宮の痛みの原因に冷えと女性ホルモンの乱れがあります。

5)で冷えを解消する食事をご紹介したので、ここでは女性ホルモンのバランスを整えてくれる食事をご紹介します。

ただし、子宮筋腫、子宮内膜症と診断されている場合は、女性ホルモンが病気に大きく影響するので、医師の指示に従うようにしてください。

<女性ホルモンを整えてくれる食材>

・豆腐、納豆、豆乳、みそなど  

大豆に含まれる大豆イソフラボンは、体内で女性ホルモンと同じような働きをすることから、「植物性エストロゲン」と呼ばれています。

・レバー、マグロ、カツオ、大豆、バナナなど

これらの食材に含まれるビタミンB6は、女性ホルモンの代謝に働きかけ、バランスを整えてくれます。

・アーモンドなどのナッツ類

これらの食材に含まれるビタミンEは、脳下垂体や卵巣に働きかけ、ホルモン分泌をコントロールしてくれます。

栄養バランスの悪い食事は、ホルモンバランスを乱してしまいます。これらの食材を取り入れつつ、バランスのよい食事を心掛けましょう。

(2)生活習慣

女性ホルモンの分泌をコントロールしている脳の視床下部は、ストレスの影響を受けやすいので、趣味を持つ、スポーツをするなど、自分なりの楽しみを見つけ、ストレスの解消を心掛けましょう。

冷えも痛みの原因になりますので、薄着で過ごす、冷たいものばかりを口にするなど、身体を冷やすような生活習慣は改善するようにしましょう。

(3)睡眠習慣

睡眠の質が悪かったり、睡眠時間が短いと、視床下部に悪影響を及ぼし、女性ホルモンバランスが崩れる原因になります。

寝る前にスマホ、パソコンを使わない、寝る1時間前から部屋を暗くする、心地よい音楽を聴くなどして眠る環境を作り、質のよい眠りをとるようにしましょう。

(4)運動習慣

運動は血の巡りをよくし新陳代謝を高め、身体を温めてくれます。

その上、運動がホルモンバランスを整えてくれることを、イギリスの有資格栄養士スザンナ・オリヴィエ氏も著書『健康のためのホルモンバランス』に書いています。

ウォーキングやストレッチなど、自分が続けやすい運動を生活に取り入れ、身体の冷えを改善し、ホルモンバランスを整えるようにしましょう。

(5)日常生活

実は姿勢と身体の冷え、ホルモンバランスには大きな関係があります。悪い姿勢は、血行を悪化させ、冷えやホルモンバランスの乱れにつながります。

日頃から腹筋、背筋に力を入れ、よい姿勢を保つよう心がけましょう。

子宮の痛みは放っておくと妊娠しにくくなるなど、女性にとって辛い結果となることがあります。

婦人科へ行くのは勇気のいることですが、痛みが続く、痛みが激しいなどといった場合には、思い切って受診するようにしましょう。

痛みの原因が病気でないとわかった場合は、生活習慣や日常生活を見直し、痛みのない生活を目指しましょう。






今回のまとめ

1)子宮の痛みの2つの代表的症状

2)子宮の痛みの4大原因

3)子宮の痛みで考えられる2つの病気

4)子宮の痛みへ自宅で実践できる2つの対処方法

5)子宮の痛みに注意すべき4つの食事のポイント

6)子宮の痛みにすべき9つの検査方法

7)子宮の痛みにすべき2つの治療方法

8)子宮の痛みへ日頃からできる5つの予防ポイント