ファイルを持っている女性の看護師

生理中でもないのに下腹部に痛みが現れる場合があります。特に、生理前に子宮が痛い・お腹が重だるい等の症状が現れる女性は少なくありません。体質や生理のメカニズムにより起こる場合と、何らかの婦人科系の病気に罹患している場合があります。






生理前に子宮が痛いのはなぜ?気になる6大原因と対処方法 


1)種類の違いとは?子宮の痛みの代表的な症状とは

子宮の痛み方は人それぞれなうえに、人の痛み方がどのようなものなのか判断するのは難しいですが、一般的に言われている子宮の痛み方は、 

(1)下腹部が重い 

(2)子宮付近がキリキリ・チクチクする 

(3)下腹部に冷たい鉛のような物が入っている感覚がある 

(4)腹部全体がよじれるように痛い 

(5)右または左の下腹部に痛みを感じる 

(6)子宮の痛みと共に胃やお尻付近も痛い 

等の症状が訴えられています。 症状の多くは、生理が終わる頃には治まる傾向があります。 

2)痛むのはなぜ?生理前に子宮が痛い場合の6大原因とは 

(1)分泌物の影響 

生理前や生理中には、経血を排出させようとする「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。これが子宮を収縮させたり血液循環を促進させる働きをする事で子宮に痛みが表れます。 

(2)子宮内に疾患がある 

子宮内に何らかの疾患があると、生理前に現れる痛み等の症状が強く現れるようになる場合があります。子宮は、子宮内の異物を排出しようとして激しく収縮するので痛みが表れます。 

(3)ホルモンの変動 

生理前2周間あたりからは、女性ホルモンが変動します。それにより自律神経に影響が出てしまい胃腸の働きが弱くなったり、血行が悪くなる事があります。そして子宮を収縮させるプロスタグランジンの分泌が増えてしまい、痛みが現れるという状態になります。 

(4)妊娠している可能性がある 

着床した後の妊娠初期には、胎児を育てる準備をする為に内膜を厚くしようとして子宮が膨張します。それにより子宮の痛みを感じる場合があります。 

(5)便秘をしている 

プロスタグランジンは子宮だけでなく周囲の臓器も収縮させる場合があるので、腸も収縮する影響を受けます。子宮のそばに位置している腸がその影響を受けて収縮すると、子宮や下腹部にも痛みを感じます。 

(6)子宮口が狭い 

若い年代の女性やもともとの体質等で、子宮口が狭い女性がいます。プロスタグランジンはそれを考慮してますます分泌を増やし、子宮を収縮させてしまう事から痛みが発生します。 

3)応急処置はあるの?試してみたい対処方法とは 

(1)温める 

慢性の冷えがある・急に体を冷やしてしまったという場合、血行不良になって子宮への血液循環が悪くなります。その為に、子宮を収縮させるプロスタグランジンの分泌が過剰になり、痛みが発生します。お腹や腰(尾てい骨あたり)にカイロを貼る・足首や足先を冷やさない・お風呂にゆっくり浸かる等して、血行を改善しましょう。 

(2)鎮痛剤を服用する 

現在は生理痛専用の鎮痛剤が販売されているので、痛みが強い場合は我慢せずに服用してください。また、通常の鎮痛剤でも効果はあるので、自分の体質に合っている鎮痛剤を服用しましょう。 

(3)安静にする 

子宮の痛みを感じたら、無理をせずになるべく安静にしてください。お腹を温めて横になったり、温かい飲み物を飲んでリラックスするようにしましょう。 

(4)病院を受診 

症状が酷い場合は躊躇せずに医療機関を受診してください。

病院で問診を受けている女性の患者

4)これは何かの病気の前兆?病気かどうかの判断基準とは 

・痛みが酷く、日常生活に支障が出る 

・子宮の痛みとともに38度以上の発熱がある 

・子宮の痛みとともに嘔吐や排便痛がある 

・生理時以外にも出血がある 

・生理前・生理中に限らず子宮付近に痛みがある 

・生理時の出血が多くなる、または少なくなる 

・顎の周辺に黒っぽい吹き出物が常に出来ている 

・生理周期がバラバラになる 

・妊娠したかもしれない身に覚えがある 

これらの症状の他にも、症状の表れ方は人それぞれです。上記の症状が疑われる場合は、下記に示すなんらかの病気の可能性もあります。今までとは生理前や生理時の状態が変わってきたな、と思ったら、医療機関を受診しましょう。 

5)症状が続く場合は要注意・・考えられる7種類の病気とは 

(1)子宮筋腫 

子宮の壁は、平滑筋という筋肉層でできています。この平滑筋の中に良性の腫瘍ができる疾患です。子宮筋腫には、平滑筋の中に腫瘍が留まって成長する・子宮内に向かって筋腫が育つ・子宮の外側に向かって筋腫が育つ等の種類があります。子宮は異物を排出させる為に激しく収縮し、内膜も増殖するので月経量が増えます。また、子宮肉腫といって、筋腫と似た腫瘍が発生する疾患ありますが、癌の場合があるので注意が必要です。 

(2)子宮内膜症 

子宮内に存在するはずの内膜が、子宮の外側にも存在するようになる疾患です。子宮と腸の間にあるダグラス窩や卵巣に多く発生し、プロスタグランジンの影響を受けて内膜の病変付近にも痛みが表れます。悪化すると内臓が癒着するようになり、発熱・嘔吐・排便痛・胃の激しい痛み等が表れ、生理以外でも出血したり経血が過剰になる場合があります。 

(3)子宮付属器炎 

卵巣や卵管に炎症が起こる疾患です。細菌の感染や子宮内膜症が卵巣にできている等が原因で、下腹部の片方側の痛み・発熱等が表れます。 

(4)子宮内膜炎 

子宮内膜が細菌に感染する疾患です。性交渉・出産後の免疫力低下や子宮口の拡大・生理用品の取替を怠る事等が原因で細菌に感染します。無症状の場合もありますが、発熱・不正出血・排尿痛・腰痛等が表れます。 

(5)卵巣の腫瘍 

卵巣内に液体が溜まる・固い物質ができる等が発生し、大きくなると卵巣が捻れる「茎捻転」を起こす場合があります。子宮付近の痛み・卵巣付近の痛み等を発生し、嘔吐や発熱を伴う場合があります。 

(6)骨板腹膜炎 

性交渉等で淋菌やクラミジア等に感染し、骨板内にまで炎症が広がります。激しい下腹部痛や発熱・おりものの増加等が現れます。 

(7)子宮癌 

ヒトパピローマウィルスに感染して発症する「子宮頸癌」、子宮の内膜に癌ができる「子宮体癌」があります。子宮や子宮口の痛み・性交痛・不正出血・排尿時の違和感等が現れます。

Woman at doctor 

6)気になる場合は専門家へ!子宮の痛みへの検査・治療方法

子宮の痛みが気になる場合は、産婦人科・レディースクリニック・総合病院の婦人科等を受診します。なお、出産を基本にしている産婦人科より、婦人科系疾患を取り扱っているクリニックに行く事をお勧めします。 

(1)検査方法 

・問診

子宮の痛み状況や月経周期・最終月経等の聞き取りやアンケートの記入が行われます。 

・触診

膣や子宮口付近の触診が行われます。 

・超音波検査

子宮内の状態を調べ、筋腫の有無や内膜の厚み・卵巣の腫れ等を調べます。通常ここまで検査をすれば、子宮内の疾患がある場合はほぼわかります。 

・子宮鏡検査

病変がある場合、子宮の状態を詳しく調べるために、膣からカメラを挿入して観察します。 

・MRI検査

更に詳しく調べる為にMRIの撮影が行われます。 

・血液検査

子宮内の疾患にかかわる数値を調べる血液検査が行われます。 

(2)治療方法 

・薬物治療

経口避妊薬のピルやパッチ等が処方されます。生理の繰り返しは子宮に負担がかかります。なので、本来の生理を止めて偽の軽い生理を起こす為に、ホルモンの分泌量を調整して子宮への負担を軽くする治療法です。大抵の子宮疾患はこの治療法がとられます。また、体の血流を改善する漢方が処方される場合もあります。 

・手術

筋腫や卵巣の腫瘍が大きい・悪性の腫瘍がある等の場合は、手術で病変部分もしくは子宮と卵巣のどちらか、または子宮卵巣の全摘が行われます。程度や状況により、膣内からカメラを挿入して切除する子宮鏡下手術・腹部に小さな穴をいくつか開けてカメラを挿入して切除する腹腔鏡手術・お腹を開ける開腹手術があります。 

7)生活習慣を整えよう!生理前の子宮の痛みへの予防習慣とは 

生理痛や生理前の子宮の痛みのほとんどは、プロスタグランジンが原因と思われます。その分泌を減らす為には次の事に気をつけましょう。 

(1)体を冷やさない 

特に下半身を冷やさないようにしてください。血流が悪くなるとプロスタグランジンが血管を広げるために過剰に分泌されてしまい、その結果子宮の収縮が激しくなります。 

・日頃から湯船に浸かる 

・足首やふくらはぎ、下半身を冷やさないようにインナーを身につける 

・腹巻きやカイロ等を使用して腹部や腰部を温める 

(2)食生活 

糖分や炭水化物が多い食べ物は、体を冷やす傾向にあります。生理前等は甘い物が食べたくなりますが、温かいお茶等を飲んで気を紛らわし、糖分の過剰摂取を控えましょう。また、プロスタグランジンを抑制するDHAやEPA、子宮の収縮を緩和するマグネシウム等の摂取も大切です。青魚類や大豆製品・ひじき・アーモンド等を積極的に食事に取り入れましょう。 

(3)筋肉をつける 

女性は男性より筋肉が少ないので冷え性が多いと言われています。スクワットや適度な運動を続け、筋肉をつける事で冷え性が緩和されて血行が促進し、子宮への影響を防ぐ事ができます。 

(4)鎮痛剤を上手く使う 

薬剤師や医師に相談し、どのような鎮痛剤を服用すべきかアドバイスをもらいましょう。激しい痛みがでてしまうと、薬の効き目を感じられなくなる場合があります。「薬に頼ってばかりで大丈夫なのだろうか」と不安になる人がいますが、それらの考えも薬剤師や医師に相談する事で解消される場合があります。






今回のまとめ 

1)種類の違いとは?子宮の痛みの種類と特徴の違い 

2)痛むのはなぜ?生理前に子宮が痛い場合の6大原因とは 

3)応急処置はあるの?試してみたい対処方法とは 

4)これは何かの病気の前兆?病気かどうかの判断基準とは 

5)症状が続く場合は要注意・・考えられる7種類の病気とは 

6)気になる場合は専門家へ!子宮の痛みへの検査・治療方法 

7)生活習慣を整えよう!生理前の子宮の痛みへの予防習慣とは