オフィスで会議を行うドクターとナース

卵巣に痛みを感じたことはありませんか、特に危険なものは「がん」。国立がん研究センタ ーの「最新がん統計」によると、我が国で 1 年間で新たに卵巣がんと診断される方は約8300人もいます。

今回は卵巣の痛みの原因、考えられる病気の可能性、予防方法についてお伝えします。






卵巣の痛みの3大原因!考えられる病気の可能性とは


1)卵巣の痛みの3大原因

卵巣の痛みの原因は大きく分けると3つあると言えます。

(1)卵巣の腫れによる痛み

卵巣内には卵胞と呼ばれる細胞があり、この卵胞が成熟すると卵子が排卵されます。卵胞は成熟すると大きくなって、少し腫れたような状態になります。

この腫れがチクチクとした卵巣の痛みの原因です。排卵後は数日かけて腫れがひいていくので、痛みは自然に治ま っていきます。 

(2)排卵時の出血による痛み

成熟した卵胞から卵子が飛び出す際に、卵巣内に傷がつく場合があります。

このときに少量ではありますが出血する可能性があり、この出血が原因で軽くひきつるような痛みやお腹の張りが生じてしまうのです。

排卵時の痛みは、生理的なものなので治療の必要はあり ませんが痛みが3日以上続く場合や激しい痛みを感じるような場合には、病気の可能性も 考えられるので一度婦人科を受診して検査してもらうことをオススメします。 

(3)卵巣腫瘍 

実は最も腫瘍の出来やすい臓器が卵巣です。

「腫瘍」というと、すぐにがんを思い浮かべる 人が多いかもしれませんが、実際には卵巣にできる腫瘍の9割以上が良性腫瘍です。

しかし逆に卵巣に「腫瘍」が出来て痛みが長く続く場合は「がんの可能性もある」という事は忘れてはいけません。 

2)卵巣の痛みの初期・中期・後期症状

卵巣の痛みの3大原因で述べたように原因により痛みの強さ、痛みを感じる期間が卵巣の痛みの原因で異なります。

そのためここでは初期・中期・後期をそれぞれ短い時間で解消されるかどうかを基準に分けてご紹介します。 

(1)数日で収まる生理前の卵巣の痛み

卵巣に痛みを感じるのは、主に生理前の排卵時か妊娠初期が一般的。これは卵巣に負担が かかりやすい時期で、卵巣と子宮が大きく変化するためです。

上記の原因で言うのであれば「卵巣の腫れによる痛み」「排卵時の出血による痛み」がこれにあたり、数日で収まります。 

(2)数週間続くこともある妊娠時の卵巣の痛み

女性が卵巣の痛みを感じるのはネガティブな場合だけでは勿論ありません。数日経過しても卵巣の痛みが定期的に来る時は妊娠している場合もあります。

子宮外妊娠と言う可能性もありますので産婦人科での受診と相談、そして検査をオススメします。 

(3)卵巣腫瘍時の卵巣の痛み

腫瘍が出来ている訳ですから当然治療しないと治らないケースもあります。

この腫瘍がにぎりこぶし大になれば、専門家は手で触れてその存在をわかると言うほど、この段階でもまだ自覚症状はほとんどないのが一般的です。

つまり妊娠の可能性のない長く続く卵巣の痛みはこれに対する危険信号である事が多いです。 

Doctor showing his notes to his patient

3)卵巣の痛みへ自宅で実践できる3つの対処方法

基本的に卵巣の痛みが「排卵時の卵巣痛」である場合は自宅で実践できる対処法で緩和できます。これで効果なく卵巣の痛みが続くようなら婦人科での診断をオススメします。 

(1)体を暖める 

女性の大敵、冷えは排卵時の痛みにも悪影響です。と言うのも卵巣もまた臓器であり、正常な機能を果たすには38度前後と言う温度下こそが最適な環境だからです。

正常な働きが出来ていないと「排卵時の卵巣痛」を感じやすくなりますので普段の生活から身体、特に下半身を冷やさないように心がけましょう。 

(2)食生活の改善 

特に20〜30代前半の方の30%の卵巣の痛みは自律神経の乱れやセロトニン不足からくる女性ホルモンの乱れと言う数字があります。

そうした場合、仕事の都合や家庭環境から ストレスへの直接の対処ができない方も多いので、食事でタンパク質、ビタミンEを多くすることでの自律神経のケアとセロトニンの分泌量を増やすことでストレスへの対処をすると効果がでます。 

(3)痛み止めの処方 

数日で収まる生理前の卵巣の痛みの場合であれば仕事への影響などを抑えるために痛み止 めを飲んで耐え切ってしまうと言う方法もあります。

勿論今後そうならないために予防す るため下記に記す「卵巣の痛みへ日常からできる3つの予防ポイント」を参考にしていただいた方がいいです。 

4)卵巣の痛みが続く場合に考えられる4つの病気

これまで何度か挙げてきたように卵巣の病気の可能性が長く続く痛みにはありますのでこ こでどんなものがあるか4つご紹介させて頂きます。 

(1)卵巣のう腫 

卵巣のう腫は卵巣に出来る「卵巣腫瘍」の9割を占める良性のものです。卵巣内に液体や 脂肪が溜まって腫れている状態で、こぶし大やそれ以上の大きさになることもあります。

成分によって漿液性のう腫(しょうえきせいのうしゅ)、粘液性のう腫、皮様性のう腫の3種類に分けられます。

発症初期段階での自覚症状はなく、がん検診や妊娠検査の際に偶然見つかることが多いです。

卵巣のう腫が大きくなると外側から触って分かるようになり、 卵巣の痛みや腰の痛み、頻尿、便秘といった症状を引き起こします。 

(2)茎捻転 

卵巣腫瘍や嚢腫が大きくなりすぎて支えきれなくなり、卵巣の根元がねじれてしまった状態。

かなり強い卵巣の痛みを伴い、放置しておくとねじれによって血流が止まり、細胞の壊死・腫瘍の破裂などをもたらす可能性があります。原因となった腫瘍などを手術で取り除く必要があります。 

(3)卵巣がん 

卵巣がんとは、卵巣にできた悪性腫瘍の総称です。元々50代に多くみられた病気でしたが、 2000 年代以降では 20 代・30 代で発症する方が増えています。

お腹の張りや腹痛、胃腸の 不調、頻尿、体重減少といった症状が出ることがありますが、これといった特徴的な症状はなく、腫瘍マーカーでも初期の段階では陰性を示すことが多いため、病状が進行してから発見されることが多いです。

卵巣がんが認められた場合はすぐに手術となり、早期発見 の場合は卵巣や卵管のみの摘出ですが、ほとんどは子宮やリンパ節まで摘出し、術後は抗がん剤による化学療法を行います。

再発することも多いため、術後は5年以上定期的に通院し経過観察が必須です。 

(4)子宮付属器炎 

ようは卵巣や卵管のウイルス性疾患による炎症です。下腹部痛や発熱、膿性のおりものが症状として現れ、炎症が腹膜にまで広がると吐き気や嘔吐、不正出血を引き起こします。

免疫力が低下している時に感染する場合が多いため、清潔な状態に保つよう普段から心がけることが大切です。

抗生物質の服用や注射による治療を行うのが一般的ですが、激しい下腹部痛や高熱がある場合には入院による治療が必要となります。 

Two women doctors talk about examination

5)卵巣の痛みが続く場合にすべき2つの検査方法

以上に挙げた病気の可能性もあるため、卵巣の痛みが続いたり、異常なほどの痛みを感じた際は婦人科での以下の検査をオススメします。 

(1)経腟超音波検査 

やはり注意を払いたいのが「卵巣腫瘍」です。

その為、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や子宮内膜(しきゅうないまく)の異常、卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)の有無やその種類、妊娠の有無、子宮周囲にたまった腹水や血液の有無、排卵の予想など、たくさんのことがわかるこ 

の検査がとても効果的。婦人科で数千円程度で受けることが出来ます。 

(2)血液検査(腫瘍マーカー)

血液検査では、血液中の特定の物質CA19-9 や CA125などを測定します。

ウイルス感染症、 STDの判断基準となり、子宮内膜症になるとこれらの物質が増加するのでそちらの基準に もなりますが子宮内膜症の診断率はそれほど高くありません。

あくまでも補助的な判断材料として使われこちらも数千円でどこの病院で設けることが可能です。 

6)卵巣の痛みが続く場合にすべき3つの治療方法

卵巣の痛みが続くようなら万が一に備え確実に婦人科で医師の診断を一度は受けることを オススメします。その上で行われる主に治療は以下の通り。 

(1)投薬治療 

腫瘍に対しては女性ホルモンの分泌を抑制する薬を飲む「偽閉経療法」、あるいは逆に女性ホルモンを投与して妊娠中のような体内環境を作る「偽妊娠療法」が一般的です。

3センチ以下の小さい腫瘍の場合、「漢方」による治療が効果的な場合もあります。 

(2)開腹手術 

摘出手術です。腫瘍の肥大や経過観察で必要となると次に紹介する「腹腔鏡手術」とどち らかのいずれかが行われます。

およそ15から20万円(3割負担)ほどが相場です。複数 回にわたって手術が行われる場合は、2回目以降になると取り除く内容が少なくなるため、 10万円台になることもあります。 

(3)腹腔鏡手術

こちらも摘出手術です。およそ20万円と少々高くなるケースが多いです。

7)卵巣の痛みへ日常からできる4つの予防ポイント 

基本として卵巣の痛みが起こるのはウイルス性疾患以外であればホルモンバランスや自律神経の異常が原因です。

その為ストレスや自律神経への対処が予防となります。 

(1)体を暖める 

「卵巣の痛みへ自宅で実践できる3つの対処方法」のところで紹介したものと同じです。 

(2)食生活の改善 

こちらも「卵巣の痛みへ自宅で実践できる3つの対処方法」のところで紹介したものと同じです。 

(3)適度な運動 

ストレス解消と体温上昇効果が期待できます、卵巣が痛い時に無理に運動するのはオススメできませんが、予防のためにはした方がいいです。

自律神経系の脳内分泌物への影響として長時間の有酸素運動が一番効果的なのでヨガや軽めのジョギング・ウォーキングとい ったあまり激しくないものがおすすめです。 

(4)清潔な状態を心がける

ウイルス性疾患や STD の原因は主にこれが予防法となります。






今回のまとめ 

1)卵巣の痛みの3大原因

2)卵巣の痛みの初期・中期・後期症状とは

3)卵巣の痛みへ自宅で実践できる3つの対処方法

4)卵巣の痛みが続く場合に考えられる4つの病気

5)卵巣の痛みが続く場合にすべき2つの検査方法

6)卵巣の痛みが続く場合にすべき3つの治療方法

7)卵巣の痛みへ日常からできる4つの予防ポイント