Doctor talking to his female patient

卵巣に腫れを感じると女性は不安になりますね。特に妊娠前の女性の場合は心配になるでしょう。その心配がストレスになり、症状を悪化させてしまうことがあります。いたずらに不安を感じないよう、卵巣の腫れの原因、予防法などについてお伝えします。






卵巣が腫れるのはなぜ?気になる原因と3つの病気の可能性


1)考えられる原因とは?卵巣の腫れの2大原因

(1)ホルモンの影響

排卵のために卵巣内が成熟し、腫れを感じることがあります。排卵期が終われば自然にひいていくので、心配はありません。

(2)大きな病気の可能性

卵巣は、大きな病気が原因で腫れることがあります。排卵期が終わっても腫れがひかないような場合、注意が必要です。

2)症状を理解しよう!卵巣の腫れの初期・中期・後期症状とは

原因となる病気によって、その症状は様々です。ここでは、卵巣にできる腫瘍の9割以上を占める良性腫瘍についてみていきます。中でも、もっとも多い「卵巣のう腫」の初期・中期・後期の症状についてみていきましょう。

(1)初期症状

初期症状はほとんどありません。

(2)中期

膿瘍が大きくなってくるとともに、手で触れても腫れを感じるようになります。この頃には、腹痛・腰痛・頻尿・便秘などの症状が現れます。

(3)後期

卵巣の根元が回転してねじれる「茎捻転」を起こすことがあります。激痛・吐き気・出血が起き、感染により熱が出る場合があります。卵巣はいうまでもなく女性にとって非常に大切な臓器です。卵巣の腫れはホルモンの乱れの影響で起こることもありますが、大きな病気の可能性もあります。排卵期が終わっても卵巣の腫れを感じる場合、自宅での対処は考えず、婦人科を受診するようにしましょう。

3)症状が続く場合に注意・・考えられる3種類の病気とは?

(1)子宮内膜症

子宮内膜症とは、子宮の内側にしかないはずの子宮内膜が、子宮以外(卵巣・腹膜など)で増殖、剥離を繰り返す病気です。通常、子宮内膜は月経血として膣から流れ出ていきますが、子宮以外で増殖した子宮内膜はとどまり、炎症や痛み、癒着を起こすことがあります。徐々に大きくなり、腫れとして実感するようになります。

(2)卵巣のう腫

卵巣にできる腫瘍の9割以上は良性の腫瘍です。良性腫瘍の中で最も多いのが、「卵巣のう腫」です。原因は、はっきりとわかっていませんが、なにかのきっかけで卵子が異常増殖し、卵巣がコブのように腫れあがります。

(3)卵巣癌

卵巣にできた悪性の腫瘍。卵巣は、排卵の度に組織がはがれ修復されるはずですが、組織が間違って修復されると癌になります。卵巣は腫れているのですが自覚することが少なく、進行を見逃してしまうことがあります。

Female physician of two people that use the tablet

4)症状が続く場合は受診を!専門医で試したい検査方法

卵巣にできる腫瘍の中で最も多い「卵巣のう腫」についてみていきます。婦人科を受診し、検査を行います。

(1)問診

問診では、症状・経過・出産経験や月経のことなどを聞かれます。

(2)内診

内診で子宮・卵巣の状態を診察します。卵巣が腫れている場合、痛みがあるかどうかの確認も行われます。

(3)経膣超音波検査

膣から超音波の機械を入れ、卵巣の状態を超音波画像で検査します。この検査で大きさをはかり、腫れているのかどうかの診断をします。

(4)経腹超音波検査

おなかの上に超音波の機械をあてて、卵巣の状態をみます。内診の経験がなかったり、症状が軽い場合は、経膣超音波検査でなく、こちらの検査を行います。

(5)血液検査

血液を採り、腫瘍マーカーの数値を調べます。正常値は、35U/mL未満です。

(6)CT検査

レントゲン技術を用いて、卵巣の画像を撮影します。妊娠している場合は、受けることができません。

(7)MRI検査

磁気を用いて、卵巣とその周囲の画像を撮影します。CT検査とは違い、妊娠中でも受けることができます。のう腫が良性か悪性か、癒着の有無を予測するための検査です。以上が「卵巣のう腫」の検査になります。検査は予測するだけで、のう腫が良性か悪性かは、手術でのう腫を切り取って行う病理検査でないとわかりません。

5)どんな治療が?症状が続く場合にすべき治療方法

ここでも、のう腫についてみていきましょう。婦人科を受診し、治療を行います。

(1)経過観察

のう腫が小さい間は経過観察が一般的です。

(2)手術

経過観察で大きくなると判断されたもの、すでに大きいものは手術を行いますが、卵巣のう腫の治療は、基本的に手術になります。手術には、開腹手術と腹腔鏡手術があります。症状により、以下の3つの方法があります。

・のう腫核出術

病巣だけを摘出します。

・卵巣摘出術

病巣のある卵巣を摘出します。

・附属器摘出術

卵管と卵巣をまとめて摘出します。費用、入院期間等は、症状によって異なります。

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6)日常生活から改善を!卵巣の腫れへ4つの予防ポイント

卵巣の病気で最も怖いのは「卵巣癌」です。ここでは、その予防ポイントをみていきましょう。

(1)食習慣

卵巣癌の原因に、食生活の欧米化による脂肪摂取量の増加があげられます。高カロリー、高脂肪の食事は避け、肉を控えた低脂肪の食事を摂るようにしましょう。活性酸素を減らすことも癌予防に役立ちます。緑黄色野菜は、強い抗酸化作用を持っています。かぼちゃ、ピーマン、トマト、ニンジン、ホウレンソウなど、色の濃い野菜を食べるようにしましょう。

(2)生活習慣

ストレスは免疫力を低下させ、さまざまな病気の原因になります。卵巣癌が増加する原因の一つに、女性の社会進出があるともいわれています。仕事の上での責任が、ストレスをもたらすと考えられているようです。日頃から好きなことをする、趣味を持つなど、自分なりのストレス解消法を持つようにしましょう。

(3)睡眠習慣

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は緊張する場面で活発になる神経で、副交感神経はリラックスした時に活発になる神経です。リラックスした睡眠中は、副交感神経が活発になりますが、この時、免疫に関わる細胞も活性化します。これらの細胞は、癌の元「細胞のミスコピー」を見つけ出し、消す働きを持っています。細胞によりよく働いてもらうためにも、質の良い睡眠をとるようにしましょう。

(4)運動習慣

1日の活動量が多い人ほど、癌発生リスクが低いことが国立がん研究センターの調査からわかっています。1日に1時間程度のウォーキングがよいといわれています。過度な運動は、活性酸素を増やすことにもつながりますので、避けるようにしましょう。肥満も癌のリスクを高くします。がん予防の適正なBMI値は、男性で21~27、女性は19~25です。BMI値の計算は、BMI=体重(㎏)÷⦅身長(m)×身長(m)⦆です。






今回のまとめ

1)考えられる原因とは?卵巣の腫れの2大原因

2)症状を理解しよう!卵巣の腫れの初期・中期・後期症状とは

3)症状が続く場合に注意・・考えられる3種類の病気とは?

4)症状が続く場合は受診を!専門医で試したい検査方法

5)どんな治療が?症状が続く場合にすべき治療方法

6)日常生活から改善を!卵巣の腫れへ4つの予防ポイント