患者に問診を行いノートに記入をするナース

お腹には、口から飲み込まれる空気だけでなく、腸内細菌が発生するガスや胃液がすい臓からの消化液により中和されるときに発生するガスがあります。

今回はお腹が張る原因や考えられる病気の可能性、対処方法や予防のポイントをお伝えします。






お腹が張る4大原因!6種類の病気の可能性とは


1)お腹が張る4つの症状とは

(1)お腹が膨らんだような感じがする

お腹が張った感じがして苦しい症状が現れます。実際に腹周囲のサイズが大きくなっていなくても、内部からの圧迫によってこのように感じることがあります。

(2)少ししか食べていないのにすぐに満腹になる

空腹感がなく、おなかが張った感じがする症状が現れます。

(3)お腹にガスが溜まっている感じがする

(4)げっぷをすると少し楽になる気がする

2)お腹が張る4大原因

(1)暴飲暴食

過度の飲食をすることで胃の消化機能が食べた量に追いつかなくなってしまい、食べ物が消化しきれていないとお腹の張りを感じます。

(2)腸内ガス

腸の中にガスが溜まることでお腹の張りを感じることも多くあります。腸内細菌が腸の中に入ってきた食物を分解するときにガスが発生しています。

こうしたガスの大半は腸内で食物を消化する過程で血中に吸収され、呼吸のとき排出されるのですが、なんらかの理由でガスの発生が過剰になります。

あるいは、ガスの排出量が低下することによってもお腹が張ります。

(3)生理・妊娠

妊娠で子宮が大きくなることによっても、お腹が張りを感じます。

それ以外に、妊娠してから何ヶ月も経った後に起きる子宮の収縮によってお腹の張りを感じる場合もあります。

これは母体がストレスや刺激を感じると起こってしまう生理現象です。また女性は生理前になるとお腹に張りを感じることがあります。

これは生理の準備として子宮が活発に働き少しずつ大きくなっていった結果、腸を圧迫して消化活動を阻害し、腸内に不純物が残るようになり、ガスを発生することが原因となってお腹が張ります。

(4)その他の病気

腸や肝臓などの病気によっても、お腹の張りを感じることがあります。

こうしたお腹の張りは、通常ならば数日で解消されるのですが、あまりにも長期間に渡って感じ続けるようでしたら早めに医師の診断を受けることをお勧めします。

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3)お腹が張る場合へ自宅でできる5つの対処法

(1)呑気症を防ぐ

ものを食べるときに一緒に空気を飲み込んでしまうことでお腹が張る症状を、呑気症といいます。炭酸飲料を飲み過ぎたり、流しこむような食べ方をするなど理由で発生する症状です。

食事をする時は、面倒でも何度もしっかり噛んで食べるようにしましょう。

緊張やストレスが呑気症の原因となることもあるので、できるだけストレスの少ない生活を送るようにしましょう。

(2)生活習慣を改善する

乱れた生活は、消化管内のガスの産生量と排泄量のバランスを崩してしまう原因となります。

食べ過ぎや飲み過ぎに気をつける、食後は安静にするなど、ちょっとした心がけでお腹の張りも改善することがあるのです。

このほか、体を締め付けるようなベルト・下着の着用は控えてください。

(3)張っている部分を温める

お腹が張っているときは腸の働きが低下していることが多いので、温めることによっ血行を促進し、腸の働きを活発にすると解消される場合があります。

(4)食べ物を改善する

腸の働きを活性化させるものや、腸の細菌を減少させるものを食べると張りが解消されることがあります。

クエン酸を含む食べ物(レモン、グレープフルーツ、イチゴ、梅干し、アセロラなど)や水溶性食物繊維を含む食べ物(ニンニク、ゆず、ごぼう、納豆、アボガドなど)が効果的です。

人によって効果は異なりますが、腸内環境を整えるヨーグルトや乳酸菌飲料などが効果的な人もいます。

(5)薬物療法

消化管の運動を良くする薬や、消化酵素薬などが有効なことがあります。

また過度な緊張による呑気症が疑われる場合には、抗不安薬の内服も一時的には試してみる価値があります。ただ薬に頼りすぎるのは良くありません。できれば生活習慣や食習慣の改善を心がけましょう。

4)お腹の張りで可能性のある6種類の病気

(1)急性胃炎・慢性胃炎

暴飲暴食、ストレス、ウィルス感染、ピロリ菌感染、食中毒、アレルギーなどの原因で胃の粘膜が炎症を起こし、突然心窩部(みぞおち)辺りが痛むときは急性胃炎が疑われます。

お腹の張りだけでなく、嘔吐や下痢、吐血などを起こすことがあります。

(2)胃下垂・胃腸虚弱(機能性胃腸症)

胃が正常な位置より垂れ下がっていると胃が正常に動かないため、お腹の張り、胃もたれ、吐き気、便秘などの症状が出ます。

生まれつきであったり、痩せている女性に多い体質です。食事量などに気を付けて対処します

(3)過敏性腸症候群

精神的なストレスによって腸の運動に異常が起こり、お腹の張りだけでなく腹痛を伴う慢性的な下痢や便秘などを引き起こします。

何週間も続いたり、一時的に治ったと思ったら再発することもあります。お腹の張りを感じる原因として、腸内ガスの量は正常でも、腸管がガスを過敏に感じやすくなっているという説もあります。

(4)腸閉塞

がんや腸の動きの障害などによって、腸が詰まってしまい、そこから先に腸の内容物が運ばれずにお腹の張りや腹痛、嘔吐などの症状が出ます。

手術後にしばらくしてから腸が癒着することにより腸閉塞を起こすこともあります。開腹手術を受けた後は、繊維質のものを控えるなど食事内容にも注意が必要です。

(5)大腸がん

大腸がんは初期には無症状で、健診で血便を指摘されるぐらいですが、進行するとお腹の張り、頑固な便秘、下痢の症状が出ることがあります。

(6)胆のう炎・肝炎・膵炎・腹膜炎など

胃腸の病気以外の内臓の病気でもお腹の張りを起こすことがあります。これはある臓器に炎症が起きると、体もその炎症に反応するためです。

胃腸以外に炎症があっても、結果的に胃腸の動きが低下しお腹の張りを感じます。

多くの場合、胆のう炎であれば発熱、腹痛、肝炎であれば倦怠感や黄疸、膵炎や腹膜炎であれば腹痛を伴います。

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5)お腹が張る症状が続く場合への検査方法

お腹が張る症状が何日も続いたり、下痢や嘔吐などの他の症状が伴う場合は、お近くの内科消化器内科(消化器科でも可)で診察を受けましょう。

前述の通り、お腹が張ることになる原因は、多岐にわたります。

しばらく静養していれば自然に回復する場合、投薬を必要路する場合、さらに詳しい検査を必要とする場合、別の専門医を紹介する場合など、診察の結果次第でその後の対応は変化してきます。

受診後は医師の指示や治療方針に従ってください。

6)お腹が張る症状へ日常から予防できる3つのポイント

(1)食べ物に気をつける

食物繊維の多い食品(豆類、イモ類など)や、肉類、糖質や脂質が多い食べ者を一度に大量に摂取することは避けましょう。

芋類などは腸内にガスを発生させる原因となります。肉類を大量に食べると消化が遅れ、腸内の動きが鈍くなる可能性があります。

(2)規則正しい生活を送る

規則正しい生活を心がけ、体内のリズムを狂わせないようにしましょう。睡眠や食事の時間をできるだけ一定にし、体に余計な負担をかけないようにします。

また、朝、目がさめた直後に冷たい水を一杯飲む習慣をつけることも、腸内に刺激を与える上で有効な方法です。

(3)適度に運動をする習慣をつける

普段、あまり運動をする習慣のない人にとっては、軽い運動をはじめることもいい方法です。軽く散歩をする習慣をつける、通勤のときに一駅区間だけ長く歩いてみるなどが有効です。

(4)ストレスとうまくつきあう

仕事や日常生活を送る上で、まったくストレスを受けないことは事実上不可能です。

趣味の時間を作ったり毎日の入浴などを利用し、日常的にたまったストレスをうまく発散する場を作ることが腸内環境を整える際にも有効となります。






今回のまとめ

1)お腹が張る原因は多岐にわたります。大半は腸内にたまったガスが原因であることが多いのですが、それ以外の疾患が原因となってそのように感じることもあります。

2)通常、お腹の張りは数日もすれば自然と解消されます。数日以上に渡って症状が持続する場合は、早めに医師の診断を受けるようにしてください。

3)腸内の不具合だけではなく、女性の方は生理や妊娠などによってお腹の張りを感じることがあります。

4)食生活に留意する。規則正しい生活を送る。運動をする。ストレスをうまく発散する。などが予防として効果があります。