資料を確認するドクターとナース

便秘の状態が続くとお腹が張るという人は多いと思いますが、便通は異常がないのにお腹が張るというときにはどのような病気が隠れているのでしょうか。

今回はお腹が張ることで考えられる原因や、潜んでいる病気、治療方法や予防のポイントなどをお伝えします。






お腹が張る症状!8種類の病気とその治療方法とは


1)お腹の張る症状の初期・中期・後期の特徴

(1)初期

お腹の張る症状が、ほんの数日で収まるのなら、便秘や体調不良が原因で大きな病気の可能性は低いと考えられます。

(2)中期

お腹が張ることに加えて、吐き気や食欲不振などがある場合には、胆のうや肝臓や胆道などに疾患がある可能性があります。

(3)後期

お腹にガスが溜まりやすくて、常にお腹が張っている場合、慢性胃炎・腸炎・肝炎・すい炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍などが考えられます。

2)お腹が張る症状の2大原因

(1)便秘

胃腸の機能が低下していると、通常よりも消化が遅くなってしまい便秘を起こしてしまいます。

(2)腹腔内にガスが溜まる

腸の働きが鈍ってくると、腹腔内のガスを体外に出すことが難しくなり、腹腔内に溜まったままの状態になるため、お腹が張るように感じます。

3)お腹が張る症状が続く場合に可能性のある8つの病気

(1)腸閉塞

お腹が張るだけではなく、激しい痛みがある場合には腸閉塞の可能性があります。腸管の機能低下により、消化物や便、ガスなどが排泄されないまま腸に詰まり、小腸や大腸がふさがれた状態になるのが腸閉塞です。

ガスなどがたまって腸が拡張してお腹が張ったり、腸内に消化物が滞ると、食道から口へと逆流が起りやすくなり吐き気につながります。

(2)卵巣のう腫

腫瘍が大きくなると下腹部が膨らんで、おなかが張ったような感じがしたり、しこりが触ってわかるようになります。

また、周囲の臓器を圧迫し、下腹部痛、腰痛、頻尿、便秘などのさまざまな症状も起きてきます。

(3)膵炎

みぞおちから左脇腹の上部にかけての痛み(痛みは背中や肩にかけて広がりやすい)や、発熱、吐き気・嘔吐、下痢、お腹の張った感じなどの症状が見られるときには「膵炎」が発症している可能性があるようです。

(4)肝機能障害

疲れやすい、倦怠感を伴う、吐き気をもよおすなどの症状に加えて膨満感を覚えたら、肝臓や胆道、胆のうに疾患がある可能性も考えられます。

(5)大腸がん

大腸がんが進行すると、大腸が狭くなり排便がスムーズに行えなくなります。そのため、お腹が張るような症状が出ることがあります。

お腹が張る感じが続いている場合には、大腸内視鏡検査を受けた方が良いようです。

(6)慢性胃炎

慢性胃炎の8割はヘリコバクターピロリ菌感染によると考えられていますが、その他にも解熱鎮痛剤や慢性的なストレスによる胃の粘膜の障害も原因になります。

長時間のお腹の張りに加えて、吐き気やげっぷを伴います。

(7)腸炎

腸の粘膜に何かの影響で炎症が起き、下痢や腹痛などの症状を起こした状態を腸炎といいます。これが集団で起きた場合は、集団食中毒ということになります。

最初は、お腹の調子が悪いなという軽い感じから始まり、その後、お腹の張り、刺すような痛みと吐き気の症状へと悪化していきます。

(8)胃潰瘍・十二指腸潰瘍

上腹部の痛みや胸やけ、膨満感などの症状が起りますが、なかには全く症状を感じない場合もあるようです。

胃潰瘍では、胃酸の分泌が低くなることがあり、腸管内でのガスの発生が増えたり、腸の運動が鈍くなったりして、おなかが張った感じ(腹部膨満感)が起こりやすくなります。

Doctors who are using the tablet

4)お腹が張る症状が続く場合への10の検査方法

(1)血液検査

(2)尿検査

(3)便検査

(4)腹部単純X線

(5)腹部超音波検査

(6)腹部CT検査

(7)腹部MRI検査

(8)内視鏡検査

(9)消化管X線造影検査

(10)血管造影検査

おなかの張りとともに便やガスが出にくくなって便秘気味になったり、血便が出るようなことがあったら、早めに受診して腸を調べてもらいましょう。

おなかの張りに体重減少や食欲不振、全身倦怠感などを伴うようであれば、腫瘍ができているかもしれないので早めに消化器専門医を受診した方がよいでしょう。

また、女性の場合は卵巣腫瘍が原因ということも考えられるので婦人科の診察が必要になることもあります。

5)お腹が張る症状が続く場合への2つの治療方法

お腹が張る症状が何日も続いたり、下痢や嘔吐などの他の症状が伴う場合には、近くの内科か消化器内科・消化器科を受診するようにしましょう。

(1)薬物療法

腸内ガスが過剰に出ている場合には、消化管の運動を良くする薬や消化酵素薬などが有効です。胃炎などが原因の場合には、胃の粘膜保護薬や制酸剤などが処方されるようです。

ただ、薬に頼りすぎるのは良くないので、生活習慣や食習慣の改善を心がけるようにしましょう。

(2)点滴・抗生剤・手術

腸閉塞、大腸がん、胆のう炎や肝炎などの病気が原因の場合には、点滴・抗生剤・手術などの処置が必要になる場合があり、入院治療を要することも多いようです。

6)お腹が張る症状へ自宅でできる5つの対策

(1)呑気症を防ぐ

食べるときに一緒に空気を飲み込んでしまうことでお腹が張ったり、不快な症状が起こることを呑気症といいます。

流し込むような食べ方をすることが原因ですので、面倒でも食事をする時には何度もしっかり噛んで食べるようにしましょう。

(2)生活習慣を改善する

腸に負担をかける食生活、運動不足、ストレスなどの生活習慣を改善するようにしましょう。ストレスや緊張から、便秘や胃腸に負担をかけていることもあるようです。

(3)食習慣を改善する

お腹の張りを感じる時には、豆類・イモ類などや肉類は極力控えるようにしましょう。人によっては、ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂ることでお腹の張りに有効な効果がある場合もあるようです。

(4)腸刺激エクササイズ

腸を刺激するエクササイズで、腸の動きが活発になってガスも出やすくなり、お腹の張りが改善されます。

背もたれのある椅子に座り、足を軽く開いて、頭の後ろで両手を組みます。鼻から息を吸ってお腹を膨らませ、体を後ろに反らせて10秒キープ、息を吐いてお腹をへこませながら、前に体を倒して10秒キープ。

鼻から息を吸いながら上体を元の位置に戻します。上体を左にひねって10秒キープ、右にひねって10秒キープ。この一連の流れを5回繰り返します。

(5)お腹マッサージ

ガスが出そうで出ないときは、お腹をマッサージするとよいようです。両手をおへそに当て、おへそを中心にして両手を時計回りに10回、反時計回りに10回動かします。

Patient hip hurts

7)お腹が張る症状への3つのNG行動

(1)食物繊維は食べ方を間違えると逆効果

食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。「食物繊維は便秘に良い」とよく言われていますが、便秘の原因がわからないまま、自己判断で食物繊維を積極的に摂取すると、余計に便秘を悪化させてしまうこともあります。

「とりあえず食物繊維を摂れば大丈夫」ということでは、結果的に逆効果になってしまうのです。

(2)暴飲暴食

胃腸の負担となる暴飲暴食は絶対にいけません。いつも満腹になるまで食べることは、胃腸を疲れさせ消化不良を起こしやすくさせます。

(3)ストレス過多

胃も腸もデリケートな器官ですので、ストレスの影響を受けやすいです。ストレスや悩みを抱え込まないように、日頃から趣味やスポーツで発散するようにしましょう。

8)お腹が張る症状へ日常から予防できる5つのポイント

(1)早食いを避ける

早食いの人は、食事の時に一緒に空気を飲み込んでしまっていたり、消化にも悪いので胃腸に負担をかけていることが考えられるため、時間をかけてゆっくり食事をとるように心がけましょう。

(2)ストレスを改善するようにしましょう

ストレスは胃だけではなく腸にも影響を与えます。悩みを抱え込まないようにしましょう。

(3)生活習慣を改善する

乱れた生活は、消化管内のガスの産出量と排泄量のバランスを崩してしまいます。

食べすぎや飲みすぎに気をつけることはもちろん、食後には安静にするなどのちょっとした心がけでお腹の張りを改善することができます。

(4)食習慣で気をつける

豆類・イモ類などや肉類は極力控えた方がよいようです。ただし、体に必要な栄養源となる食べ物ですので完全に避けるべきでありません。

問題の食品の別の食べ方を探したり、代わりになる食品を探すなどして栄養バランスを崩さないようにしましょう。

(5)適度な運動をする

運動不足は、胃や腸の運動機能低下の原因になる場合もあるので、ウォーキングなどの無理のない運動を日常的に続けることは有効のようです。






今回のまとめ

1)お腹の張る症状の初期・中期・後期の特徴とは

2)お腹が張る症状の2大原因とは

3)お腹が張る症状が続く場合に可能性のある8つの病気

4)お腹が張る症状が続く場合への10の検査方法とは

5)お腹が張る症状が続く場合への2つの治療方法とは

6)お腹が張る症状へ自宅でできる5つの対策とは

7)お腹が張る症状への3つのNG行動

8)お腹が張る症状へ日常から予防できる5つのポイント