病気でベッドで痛がる女性

「尿漏れ」というと、一般的には「高齢者に起こりがちな症状」というイメージがあります。しかし、実は20代、30代の若年層にも起こるものであることをご存知でしょうか。

今回は20代にみられる尿漏れの原因・症状・対処方法などをご紹介します。






尿漏れが20代でおこる2大原因!対処方法とは


 1)20代の尿漏れの4つの代表的症状

幼児の頃には、「トイレが我慢できなくて尿を漏らしてしまう」という経験をされた方もいらっしゃることでしょう。

また、高齢者の尿漏れも「トイレに間に合わない」「ちょっとしたくしゃみなどの体の衝撃で漏れてしまう」という症状が一般的です。

若年層の方が尿をもらしてしまった場合、どうしても「恥ずかしい」という思いが先立ってしまうものですが、どのように尿漏れが起こってしまうかを検証してみます。

(1)トイレに間に合わずに漏らしてしまう

「トイレに行きたい」と思うことは、脳が排尿の意識をキャッチするために起こる現象です。

決して「我慢して間に合わずに漏らしてしまう」ということではなく、「行こうとしたが間に合わなかった」というものです。量は個人差があります。

(2)ちょっとしたくしゃみや咳で漏らしてしまう

(3)少し重めの荷物を持った瞬間や、スポーツなどで体を軽く動かした瞬間に漏らしてしまう

これら2つは「腹圧性失禁症(ふくあつせいしっきんしょう)」と言い、腹部に力を入れた瞬間に発生する症状になります。

特に尿意は感じないものの、腹部に力がこめられる衝撃で微量の尿漏れを起こしてしまうものです。

(4)男性特有の、排尿直後の微量の漏れ

トイレでの排尿後に身支度を整えようとすると漏れてしまう男性も多いようです。この症状を「排尿後滴下症(はいにょうごてきかしょう)」と言います。

2)20代の尿漏れの3大原因

 尿漏れは男性と女性で原因が異なります。それは、排尿にかかわる膀胱と尿道を支える筋肉が体のつくりによって異なるためです。

(1)同じ姿勢による下腹部への圧迫

現代の若年層の習慣として多いのが、体への圧迫負担です。特に長時間のデスクワークや、日常のパソコンや携帯電話、スマートフォンの長時間使用は同じ姿勢を持続します。

そのため、下腹部への圧迫や、尿意を催しているはずが抑え込まれてしまっている場合もあります。これがストレスにつながり、排泄をつかさどる器官や筋肉などへの負担になってしまいます。

(2)骨盤底筋(こつばんていきん)のゆるみ

尿の排泄は膀胱からの尿道の開け閉めによって行われます。

トイレで尿を排泄する際に尿道を開ける、排泄しない際には尿道を閉めるというのは男性・女性ともに同じであり、下腹部には尿道を支えてコントロールする「骨盤底筋」が存在します。

この骨盤底筋の力が衰えてしまうと、尿道が緩んでしまうのです。また、尿道の長さは性別で異なります。

そのため、男性は体のつくり特有の原因もあわせ持つことになるので、性別での原因のメカニズムを見ていきましょう。

・男性の場合

男性の尿道は、女性と比べて長くなっています。そのため、「排尿が済んだ」と感じた後に尿道に残っている微量の尿が漏れてしまうというケースが多く発生します。

これは、尿を絞り出すための球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)の衰えによるとされています。

・女性の場合

女性の尿道は男性よりも3~4cm短くなっており、男性のような「排尿後の尿道に残る尿が漏れてしまう」という症状は起こりにくいものです。

その分、女性の場合は骨盤底筋の衰えによって尿道のコントロールが困難になってしまうのです。

特に女性の場合、出産後の回復過程による骨盤底筋への圧迫負担や、ホルモンバランスの崩れが原因で起こることが多いものです。

また、出産経験のない女性の場合は、ヒールの高い靴などによる重心のアンバランスさから下半身の筋肉が鍛えられずに骨盤底筋が緩んでしまうことが原因に挙げられます。

(3)過活動性膀胱による切迫性尿失禁

これは男女ともに起こる「トイレに間に合わずに漏らしてしまう」という症状の原因です。膀胱が通常よりも収縮してしまうことで尿意を催し、排尿作用につながってしまいます。

上記(1)でもご紹介した「尿意を催しているはずが抑え込まれてしまっている」ということが続くと、今度は膀胱が通常よりも排尿を促すようになってしまいます。

Mature Lady doctor shows a patient test results

3)尿漏れへの2つの対処方法

(1)尿漏れケア用品の使用

介護用品以外にも、日常のアイテムとして「尿漏れパット」や「吸水ライナー」というケア用品があります。これらは女性の生理用品のように下着に装着するものです。

あらかじめ備えておくことで、いざという時にもあわてずに済みます。気になる臭いも、デオドラント成分が配合されているため、不快感なく使用できます。

外出時には、取り換え用のシートを持ち歩くと安心です。   

(2)下半身を温める

体が冷えやすい冬などの時期に尿意を催しやすくなる方も多いと思われます。

これは気温や体温の低下によって「これ以上体が冷えないように、余分な水分を排泄する」という脳の判断のもとに、排尿の指令が頻繁に起こってしまうためです。

特に下腹部や足元が冷えている場合は起こりやすいので、「靴下を重ねてはく」「ひざ掛けを利用する」「お腹や腰周りにタオルを当てる」などの対策で温めると改善されます。

 4)20代で尿漏れが続く場合に考えられる2つの病気

(1)前立腺炎

男性特有の病気です。年齢を重ねてくると「前立腺肥大」という症状が起こるのですが、20代などの若年層の男性でも前立腺の炎症は起こるものです。

ストレスや不規則な生活による自律神経やホルモンバランス乱れが、体への負担が前立腺への障害を引き起こします。

男性の場合、尿道と前立腺は接近しているため、前立腺に炎症などが起こって肥大化すると尿道が狭くなります。

そのため、尿を排出しきれずに残尿感が残り、漏らしてしまうという症状が起こりやすくなるのです。

(2)尿道炎・膀胱炎

トイレを我慢することが多いと、排尿をするための膀胱に炎症が起こってしまい、正常な排尿ができにくくなってしまいます。

膀胱炎は尿道に細菌が入ることで炎症を起こすものです。特に女性は尿道と子宮につながる膣、肛門が近くに存在しているため、子宮からの「おりもの」が原因のかぶれや、排便時の細菌が尿道に付着してしまうことが原因に挙げられます。

トイレにウォシュレットが備え付けられている場合は、排泄後にきれいに洗浄することが大切です。

その場合、ウォシュレットも清潔な状態でなければ、新たな細菌を尿道に付着させてしまうことになりますので、ウォシュレットの手入れも大切です。

また、感染した細菌が「クラジミア」と呼ばれる細菌であれば、要注意です。クラジミアは放っておくと生殖機能にも感染の影響を及ぼしてしまうため、早めの治療が必要になります。

Closeup on medical doctor woman explaining something

 5)尿漏れが続く場合にすべき3つの検査方法

尿漏れの場合は、泌尿器科での診察及び検査になります。その際に行う検査をご紹介します。

(1)尿検査

これは一般的な内科でもよく行われる検査です。尿は体内からの排泄物ですので、尿に含まれる体内の異常を見つけることができます。

必要な成分の数値のほか、たとえば血液や細菌が混じっていないかなど、病気につながる可能性を見出します。

排尿だけの簡単な検査なので、費用も保険適用内で200円以下で収まります。

(2)超音波検査(エコー)

膀胱や尿道をもつ下腹部に超音波を当てることで体内をモノクロ画像で投影する検査です。ほとんどの内科・泌尿器科が備えています。

膀胱や尿道の様子をモニターで確認しながら、担当医とその場で直接確認のやり取りができるので安心感が大きい検査と言えます。

腹部に超音波器具を充てるためのジェルの塗布を行いますので、着替えや塗布を含めると約10分から20分ほどの所要時間になります。

費用は保険適用内で約2000円から1600円程度になります。

(3)ウロダイナミクス検査

「ウロ」というのは尿を表します。専用器具を使って座っての検査になり、膀胱と尿道内の圧力や尿の流出量を測定することで異常がないかを検査します。

数種類の検査を行い、中には「シメストリー」と呼ばれる「水を注入することで尿道内の圧力を測定する」という検査もあります。

一通り約15分程度で終了します。現在では多くの泌尿器科を扱う医院で取り扱っていますが、費用に関しては問い合わせによる確認が必要になります。

 6)尿漏れが続く場合にすべき2つの治療方法

(1)ノコギリヤシのサプリメント

最近注目度の高いサプリメントです。よくコマーシャルや広告で目にしたことのある方も多いと思われます。ノコギリヤシはハーブの一種であり、ホルモンバランスを整える作用があります。

特に男性には、前立腺の機能を正常に整えることから尿道のトラブルの解消にもつながります。価格はメーカーによって異なりますので、確認が必要になります。

(2)抗炎症作用の投薬治療

膀胱炎や尿道炎にかかってしまった場合は、細菌を撃退するための抗生物質を含む薬剤が病院から投与されます。

抗生剤は一般の風邪薬などと比べると数100円やや高額になります。

Side view of a male physiotherapist examining woman's back in the medical office

7)尿漏れへ日常からできる5つの予防ポイント

(1)骨盤底筋トレーニング

多くの泌尿器科や女性の場合は産婦人科でも勧められる方法です。尿漏れの原因となる「骨盤底筋のゆるみ」から発生する尿道の閉まりを良くするストレッチです。

立って行うものから寝た状態で行うものなど、様々です。このトレーニングを実施することで、下腹部が鍛えられます。

また、尿漏れケア用品などを扱うメーカーのホームページでも詳しいトレーニング方法を紹介していますので、是非参考にして取り入れてみるよよいでしょう。

(2)サプリメントの活用

治療方法としてもご紹介した、ノコギリヤシのサプリメントです。男性にも女性にも適用できますが、それぞれの性別に合わせた他成分の配合を行っている商品もあります。

(3)下半身の冷え防止

冬場以外でも、たとえばクーラーの効いた夏場の室内は下半身を冷やしがちです。特に冷気は足元にたまりやすいので、ひざ掛けや靴下の利用で冷やさない工夫を心がけましょう。

また、入浴時もシャワーだけで済ませずに、バスタブに浸かって体を温めることも下半身へのケアになります。

冷え性が改善されるだけでなく、全身の血行促進につながり、肩こりなども解消されるという一石二鳥の効果があります。  

(4)トイレを我慢しない

たとえ尿意を催していない場合でも、排泄するべき余分な水分は徐々にたまっていきます。

今回ご紹介した症状や、それにつながる病気を引き起こさないためにも、休憩時間には必ずトイレに行くなどの膀胱や尿道に負担をかけないようなケアも必要です。

(5)同じ姿勢で下腹部を圧迫し続けない

若年層の習慣として多いのが、体への圧迫負担です。尿道や膀胱を圧迫しすぎないよう心がけることが必要です。

適度に立ち上がったり、歩いたりして、下腹部を圧迫から解放してあげましょう。






今回のまとめ

 1)20代の尿漏れの4つの代表的症状

 2)20代の尿漏れの3大原因

 3)尿漏れへの2つの対処方法

 4)20代で尿漏れが続く場合に考えられる2つの病気

 5)尿漏れが続く場合にすべき3つの検査方法

 6)尿漏れが続く場合にすべき2つの治療方法

 7)尿漏れへ日常からできる5つの予防ポイント