男性患者と話すドクター

みぞおちには肝臓、胃、十二指腸、膵臓、胆のう、胆管といった臓器があり、みぞおちを押すと痛い場合は、それらの臓器の病気の可能性もあります。今回はみぞおちを押すと痛い場合の原因や、考えられる病気の可能性、対処法や四某方法をお伝えします。






みぞおちを押すと痛い9大原因!病気の可能性


1)原因はなに?みぞおちを押すと痛い場合の9大原因

(1)食べすぎ、飲みすぎ

(2)暴飲暴食

(3)刺激物、甘いもの、冷たいも、カフェインの摂り過ぎ

(4)早食い

(5)細菌・ウィルスの感染

(6)食中毒

(7)ストレス

(8)冷え

(9)臓器の疾患

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2)症状が続く場合は注意!考えられる15種類の病気とは

(1)胃炎

胃炎は、胃粘膜の炎症で、急性、慢性、神経性の3つにわかれます。急性の場合は短時間で嗜好品、刺激物多く摂り過ぎたり、暴飲暴食、過度の飲酒、喫煙、薬や抗生物質などの影響があり、みぞおちがキリキリ痛み、胃の不快感、むかつき、嘔吐、吐血、下血を伴います。慢性の場合は、長期間の喫煙や飲酒、ストレスなどで炎症がおき、空腹時や夜間の胸やけ、食欲不振、食後のむかつき、胃のもたれなどの症状があります。神経性の場合は、ストレスによって自律神経が乱れ、必要以上に胃酸が分泌され胃の粘膜を傷つけます。胸焼けやのどがつかえるという症状が伴います。

(2)胃潰瘍

みぞおちから左にかけて痛みがあります。消化酵素や胃酸が胃の粘膜、胃壁を傷つけ、それにより炎症がおこります。食事中や食後に痛み、吐血、下血、胸やけ、げっぷなどの症状が伴います。

(3)潰瘍穿孔

胃や十二指腸壁に穴があき、消化中の食べ物が漏れ炎症を起こします。みぞおちや腹部に激しい痛みがあり出血やおう吐が起こります。24時間以内の手術が必要になります。

(4)胃がん

胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍と良く似た症状ですが空腹時や食事中など関係なく痛みがあります。鈍痛、重い、体重減少、膨満感、胸やけ、げっぷ、食欲不振、嘔吐、血便、背中の痛みなどの症状が伴います。

(5)十二指腸潰瘍

空腹時に痛みがあり食事をすると治まる特徴があります。その他胸焼け、吐き気、食欲不振、吐血、貧血などの症状が伴います。十二指腸潰瘍の粘膜や細胞を消化酵素や胃酸が傷つけ炎症を起こします。

(6)逆流性食道炎

胃酸が食道に逆流し炎症をおこします。胸焼け、すっぱいものがこみ上げてくる、胃もたれ、げっぷなどの症状が伴います。

(7)食道潰瘍

食道に胃液などが逆流し炎症が起こる病気です。その他ウイルス感染が原因の場合があり、胸焼け、胃もたれ、喉がつかえたような感じなどの症状が伴います。

(8)急性膵炎

膵臓から分泌される消化酵素で膵臓を溶かします。背中、肩、手などに痛みが広がります。吐き気、嘔吐の症状も伴う場合があります。過度の飲酒などが原因でおこります。

(9)虫垂炎

虫垂の炎症で、最初みぞおちが痛み、時間がたつにつれて痛みは右の下腹部に移動します。発熱の症状が伴います。虫垂炎の初期には、みぞおちの痛みが起こるので、急性胃炎と間違えられることもあります。

(10)胆石症

肝臓、胆のう、胆管に結石ができる病気です。差し込むような痛み、間欠的に痛むのが特徴で、みぞおちの右側の方にかたよることが多いものです。

(11)急性胆のう炎

胆石が胆管にたまったり、つまったりして胆汁が滞り、細菌が感染して炎症が起こります。急性の場合は、みぞおちから右わき腹上部にかけての激痛が長く続き背中や肩に痛みが広がる場合もあります。吐き気、嘔吐、高熱、黄疸、濃い茶色の尿、黄色い液を吐いたりなどの症状が伴います。

(12)心筋梗塞

胃の痛みと勘違いされやすく、痛みは30分以上続く場合があり、吐き気、冷や汗など伴う激しい痛みです。

(13)狭心症

心筋梗塞と違い痛みが長く続くことはありません。1~15分ほどで痛みが治まります。運動したときに痛む場合と安静にしてるときに痛む場合があり、また肩、首、あご、腕などに痛みが広がります。

(14)ヘリコバクター・ピロリ菌

胃の中の強い酸でも生息できる細菌です。このピロリ菌は胃酸から身を守るために常にアンモニアを出し続け生き延びています。そのためピロリ菌が発するアンモニアや毒素が胃の粘膜を繰り返し傷つけています。

(15)アニサキス症

サバ、アジ、イワシ、スルメイカ、ニシンなどの魚類に寄生している体長2~3cmのアニサキスの幼虫から感染し胃に食いついたり、潜り込んだりします。これら寄生している魚の刺身などを食べた数時間後、急激に痛みが刺すようにみぞおちが痛くなり吐き気、嘔吐も伴います。

3)試せる応急処置はある?痛みへの対処方法とは

(1)安静にして体を右下にして横になる

(2)半身浴やカイロなどで体を温める

(3)消化の良いもの、お粥や重湯、温かいスープなどを食べる

(4)腹式呼吸をする

(5)受診する

食べすぎ・飲みすぎ、大量のカフェインや刺激物を摂った後や体の冷えなどからくる痛みは、これらは有効ですが、それ以外は病気の可能性があるので早めの受診をしましょう。

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4)治まらない場合は専門家へ!試される検査方法とは

消化器内科、胃腸科などに受診します。

(1)採血

血中の酵素の数値を計り、貧血、肝臓、炎症、肝機能などの状態を調べます。例えば血液中のペプシノーゲンの濃度を測定するとで胃粘膜の萎縮を調べます。胃粘膜の萎縮の広がりとその程度、胃液の分泌機能、胃粘膜の炎症の有無、胃がんなどがわかります。費用は健康保険適用(3割)で2、000円~3、000円前後

(2)腹部超音波検査(腹部エコー)

検査台に仰向けや横向きになって、腹部に検査用のゼリーを塗り、プローブを腹部に押し当て超音波で臓器の断面層の画像をモニターで観察していきます。胃カメラでは発見できない、胃意外の肝臓、胆のう、腎臓、膵臓などの腫瘍、ポリープ、炎症などがわかり、肝臓がんや胆石の早期発見にもつながります。当日は朝食を摂らずに検査します。費用は健康保険適用(3割)で1、500円~2、000円前後

(3)胃カメラ

検査方法は2種類あります。ひとつは鼻からスコープを入れる経鼻方式胃カメラ、もうひとつは、口からスコープを入れる経口方式胃カメラです。麻酔は、経鼻方式胃カメラでは、鼻からのどにかけて血管収縮剤を噴霧してからゼリー状の麻酔を流します。経口方式胃カメラでは、のどにゼリー状の麻酔を数分間ためます。カメラ挿入直前にも麻酔をスプレーで噴霧します。鎮静剤を使用して眠っている間に検査することもできます。検査前日は8時~9時前に食事を済まし、当日も食事を抜きます。水、白湯などの飲料は飲むことが可能です。費用は健康保険適用(3割)で5、000円~12、000円前後(+病理組織検査)

(4)ピロリ菌検査

ピロリ菌検査には、血液検査、尿素呼気試験法、内視鏡検査(胃カメラ)があります。尿素呼気試験法は、中にゼリー状のようなものが入った袋を2枚と錠剤で検査します。まずひとつ目の袋に息を吹き込み、錠剤を飲みます。その後、安静にし、もうひとつの袋に息を吹き込み終了です。尿素呼気試験法の費用は健康保険適用(3割)で5、000円~6、000円前後

(5)腹部CT検査

X線を照射し腹部の断面図を撮影しコンピューターで処理します。腹部CT検査には、単純CT撮影と造影CT撮影、ダイナミックCTがあり、必要に応じて組み合わせて検査します。造影CT撮影はヨード造影剤を静脈から注射して撮影をし、ヨード造影剤を使用せずに撮影する方法が単純CT撮影です。貴金属をはずし検査服に着替え、検査台に仰向けに寝て呼吸を止め検査します。検査当日の食事や水分は午前、午後の検査によって担当医から指示がありますので、そちらに従います。費用は健康保険適用(3割)で6、000円~15、000円前後

(6)腹部MRI検査

強い磁場のトンネル状の中に身体を入れ電磁波を当てて検査します。検査中はかなりの大きな音がしますので耳栓をします。検査台に寝て、指示に従い息を止めたり吸ったりを繰り返します。造影剤は検査内容によって投与する場合があるので承諾の有無が必要となります。検査当日の食事や水分は午前、午後の検査によって担当医から指示がありますので、そちらに従います。検査できない方は心臓ペースメーカーを入れている、人口内耳、中耳を装着、妊娠もしくは妊娠の可能性のある方、入れ墨、ネイルアートなど、これ以外にもいくつかありますので必ず担当医に確認が必要です。費用は健康保険適用(3割)で6、000円~15、000円前後

(7)MRCP検査

MRCP検査はMRIを用いて、造影剤を投与せず、特に胆道膵管の胆汁や膵液を強調して検査する方法です。指示に従い息を止めたり吸ったりを繰り返します。膵臓がん、胆管がんなどの早期発見が期待できます。

5)どんな治療が行われる?行われる可能性のある治療方法

消化器内科、胃腸科などに受診します。

(1)食事療法

空腹時に痛む場合は、消化の良い軽い食べ物や流動食にし、刺激物や嗜好品は控えます。病気によっては絶食し点滴をする場合があります。

(2)薬物療法 

細菌を抑える抗生物質、胃酸を抑制または消化を助ける薬、解熱・消炎鎮痛薬、降圧剤、抗菌薬など病気に合わせて薬で治療します。

(3)ピロリ菌除菌

ピロリ菌は放置しておくと、慢性胃炎、萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などに進行するので早めの除菌が必要です。1週間抗生物質と胃酸を抑える薬を飲みます。その後除菌されたかどうか尿素呼気試験で確認します。除菌されていない場合は、2次除菌で別の種類の錠剤を服用します。1次、2次は健康保険適用ですが、3次は自費になります。

(4)手術

胃や十二指腸などに穴が空いた場合は、内視鏡で内容物を取り出し縫合、閉鎖する手術です。胃がんなどは、胃カメラで切除しきれない場合は、腹腔鏡下手術で胃、リンパ節切除を行います。さらに進行すると開腹手術になります。心筋梗塞、狭心症などはおおがかりな手術が必要な場合があり、その他腫瘍を摘出する手術があります。アニサキス症は胃カメラなどで虫を取り出します。

6)日々の生活から改善を!みぞおちの痛みへの予防ポイント

(1)過度の飲酒、喫煙をしない

(2)暴飲暴食をしない

(3)早食いをしない

(4)脂肪分・糖分の多い食事は避け、食物繊維を多く摂りバランスの良い食事を心がける

(5)適度な水分補給

(6)ストレス発散

(7)適度な有酸素運動

(8)質の良い睡眠

(9)早めの受診






今回のまとめ

1)みぞおちの痛みは胃の疾患だけではない

2)長期間症状が続く場合は早期に受診する

3)ピロリ菌は早めに除菌する

4)定期的に検査を受ける

5)予防・再発防止のため生活改善をする

6)重症化しないように早期発見・早期治療が大切