カルテを確認している男性ドクター

十二指腸潰瘍は病状が進んでいくと治りづらくなりますが、多くは薬で治すことができるため、早いうちに治療を開始することが早く回復する一番の方法です。

今回は十二指腸潰瘍の症状の解説を中心に、原因や治療方法についてもお伝え致します。






十二指腸潰瘍の6大症状!初期・中期・後期の症状とは


1) 十二指腸潰瘍とは何か

十二指腸の壁は粘膜や筋肉が層なって、酸性の強い胃酸や消化液にさらされていても傷が付かないように守っていく仕組みができています。その仕組みが壊れて十二指腸の粘膜や、筋肉に一部欠損ができる病気を十二指腸潰瘍といいます。

症状としては同じ消化管潰瘍である胃潰瘍と似ていますし、また上部消化管の癌の初期症状ともよく似ています。胃潰瘍が40才以上の人が多いのに対し十二指腸は若年者に多くみられます。

2) 十二指腸潰瘍の初期症状!活動期

潰瘍の活動が活発で,潰瘍の底部が厚いこけのようなもので被われいびつな形です。潰瘍幅周辺むくんでおり、出血しやすい状態になっています。

(1)上腹部の不快感・胸焼け

(2)きりきりとした痛み

十二指腸潰瘍では痛みは空腹時にみられ、胃潰瘍は食べた直後に痛むことが多く区別することができます。

3) 十二指腸潰瘍の中期症状!治癒期

吐いたのもの中に血液が混じってきます。また便の色が黒くノリの佃煮のようになります。これは十二指腸潰瘍からの出血が考えられるためすぐに受診して内視鏡カメラを見ながら止血をしていく必要があります。

(1)上腹部のきりきりとした痛み

(2)吐血・下血

潰瘍の底部が盛り上がってきます。コケのようなものも少しずつ小さくなってきます。

smiling senior woman and doctor meeting

4) 十二指腸潰瘍の後期症状!瘢痕期

それぞれの症状は治療によって改善してきます。

(1)貧血

(2)上腹部の不快感

瘢痕が形成されますがまだ油断は禁物です。白いこけがすっかり見えなくなり、瘢痕の中心部が赤くなって完了です。しかしあくまでも医師が完了の指示を出すまでは治療は続けて下さい。

5) 十二指腸潰瘍の考えられる3大原因とは

(1) ピロリ菌によるもの

十二指腸潰瘍の原因の95パーセントがヘリコバクターピロリに由来するといわれています。ピロリ菌に感染すると粘膜の防御尾機能が弱くなり、傷ができそこが潰瘍に進んでいくことになります。

(2) 薬によるもの

非ステロイド性鎮痛消炎剤(NSAIDsエヌセッド)によるものがあります。エヌセッドとは具体的には循環器で処方される抗血栓薬や、整形外科で処方される関節リウマチや、

風邪の治療などに用いられるアスピリンなどが有名で、これらの薬には胃の粘膜を胃酸から守る働きをしているプロスタグランジンの合成を妨げる作用があります。エヌセッドによる潰瘍も予防には厚生労働省から診療ガイドライが出ており予防のために指針となっています。

(3) ストレス

それだけでは十二指腸潰瘍をつくることは少なくピロリ菌に感染している方にストレスがあると酸のバランスを崩しやすくなり潰瘍が治りづらくなる傾向があります。肉体的、精神的ストレスを受けると自律神経の働きが乱れて粘膜の防御尾機能が落ち傷つきやすくなります。

6) 十二指腸潰瘍への検査方法とは

受診するのは消化器内科が専門科になります。

(1) 問診・触診

(2) バリウム造影検査

(3) 内視鏡検査

(4) ピロリ菌検査

内視鏡カメラをしたときに細胞を直接とってきて調べる方法と尿素呼気試験というものがあります。

Doctor listening to patient

7) 十二指腸潰瘍への3つの治療方法とは

(1) ピロリ菌の除去

ピロリ菌が確認できると抗生物質によってそれを除去します。内服薬によって行い胃酸を抑える薬と抗生物質を一日2回7日間内服します。成功率はきちんと内服できた場合で75パーセントほどですが、違う抗生物質に変えて2度目を行うことで除菌率は上がります。費用は保険本人で3割り負担。自己負担はおおよそ5000円から6000円ほどになります。詳しくは受診の際に病院の担当課にお確かめになると良いでしょう。

(2) 出血がある場合には内視鏡的止血術

内視鏡カメラによる止血術を行います。

(3) 潰瘍が治ったあとのフォロー

潰瘍が治ったあと再発の可能性は5から10パーセントと言われていますが、原因疾患のためにエヌセッドの内服を止めるわけにはいかないこともあり、治療後の経過観察をしていくことになります。

8) 十二指腸潰瘍を予防するための5つの生活習慣

(1) 食生活への注意

暴飲暴食を避けバランスの良い食事内容を心がける。刺激の強いものや、端に熱いもの冷たいものを避ける。

(2) 喫煙習慣の見直し

タバコの成分そのものが直接粘膜を傷つけます

(3) アルコールを控える

過度なアルコール摂取は粘膜の防御尾機能を減退させ、胃酸に対して弱くなります。

(4) ストレスをためない生活

ストレスをためることで粘膜の防御尾機能が減退します。

(5) 内服薬の管理

エヌセッドによる潰瘍を予防するために処方先の医師とよくご相談下さい。潰瘍のリスクがあっても止めるわけにはいかない薬です。自己判断はたいへん危険で命に関わることもあります。勝手に判断せず主治医にご相談下さい。






今回のまとめ

1)十二指腸潰瘍とは何か

2)十二指腸潰瘍の初期症状!活動期

3)十二指腸潰瘍の中期症状!治癒期

4)十二指腸潰瘍の後期症状!瘢痕期

5)十二指腸潰瘍の考えられる3原因とは

6)十二指腸潰瘍への検査方法とは

7)十二指腸潰瘍への3つの治療方法とは

8)十二指腸潰瘍を予防するための5つの生活習慣