パソコンを確認するナースとドクター

「胃が痛い」とは、私たちが日常的に使用する表現です。どうしようもない状態に置かれたとき、比喩として使うことが多いですよね。

しかし、身体的症状として胃が痛い場合、当然なんらかの疾患が考えられます。その最たるものが、胃炎です。今回は「胃炎」の原因や、様々な症状、治療方法や予防のポイントをお伝えします。






胃炎の症状解説!急性・慢性・逆流性胃炎の3つの違い


1)胃炎の3つの種類

胃は、食物を消化するために、とても酸性度の高い胃酸を分泌します。

胃壁がその酸で溶けないように、胃粘膜が守っていますこところが、なんらかの原因でこのバランスが崩れ、胃粘膜が胃酸にやられてしまい、胃そのものにダメージを与えてしまう。これが胃炎の原因です。

一言で胃炎といっても、症状や原因によって、おおまかに3つのタイプにわけらます。

(1)急性胃炎 

突発的に起きるもの。食事の量や質、さらにストレスで、急激に胃のバランスが崩れた場合。胃粘膜が傷付いてしまう状態です。小学生でも発症する場合があります。

(2)慢性胃炎 

急性胃炎が進行した場合がほとんどです。初期の胃炎の自覚症状がなく、慢性化して発症する場合です。原因も急性とほぼ同じです。

胃粘膜や胃壁の傷が、急性より深い状態です。長年のつけですから、中年以降が罹患しやすいですね。

(3)逆流性胃炎

胃炎ではありますが、システムそのものが違います。症状もかなり上記の胃炎とは違うので、注意が必要です。

2)胃炎をチェックする3つの特徴

(1)急性胃炎

体は元気なのに、胃がチクチクする、なんだかムカムカする。これは急性胃炎の典型的症状です。胃粘膜がちょっと傷付いている状態です。

ただ、ウィルスなどの外的要因やアレルギー性胃炎は、激痛が起こることもあります。これは若年層によく見られます。

(2)慢性胃炎

慢性胃炎の場合、上記のような自覚症状がなく、なんとなく胃が重く食欲がなくなります。吐き気がし、元気もありません。

それは、初期の症状を通りこして、胃粘膜がえぐれたり、胃壁に傷がついているから。かなり深刻なダメージをうけています。吐血、血便があれば、即、医療機関へ行くほどの進行状況といえます。

(3)逆流性胃炎

やっかいなのは逆流性胃炎です。上記2つの症状とはほぼ関連せず、胸の痛みや咳が現れます。のどの痛みを自覚する人もいます。

これは過剰な遺産が食道を逆流し、その刺激が胸の痛みやのどのイガイガになるのです。風邪、あるいは心臓疾患と勘違いしそうな特長をもっているので、要注意です。

高齢者がなりやすい、といわれています。筋肉の低下ですね。

3)3種類の胃炎の症状

(1)急性胃炎

急性胃炎の場合、胃のチクチクする痛みやムカムカが自覚されます。しかし、薬を飲んだり安静にしていると、2,3日で収まります。

傷が浅く、治りも早いのです。体力の消耗もなく、胃の調子もすぐ元通りになっていきます。

(2)慢性胃炎

慢性胃炎の場合は、薬を飲んでも食事制限をしても、効果はその場限りです。

またすぐ、食欲不振、吐き気、だるさなど全身的な不調に悩まされ、とうとう吐血、となってしまいます。根本的な治療が必要です。

(3)逆流性胃炎

逆流性胃炎は、胸の痛みや咳、のどの痛みがおもな症状です。

心臓病や風邪と思ってしまうので、なかなか有効な治療が行われません。そのため、症状がだらだら続き、不安とイライラが募ります。こんな場合は、一度は逆流性胃炎を疑ってみましょう。

Doctors who have medical records and doctors have a tablet

4)胃炎の3つの原因 

どの胃炎も、胃酸の出すぎによるものです。したがって、それを防げば、かなり胃炎は抑えられます。

(1)食事の負担

大量の食事は消化に時間がかかり、胃酸も増えます。胃痛の人の半数は「早食い無茶食い」といわれます。

さらに体によくないタバコやアルコールの過剰摂取も、当然、胃によくありません。

(2)ストレス

腸内環境と精神的ストレスの関係はとても深いもの。胃はデリケートなのです。ストレスは胃にダイレクトに影響するようです。

そこに睡眠不足や疲労による体力低下が加わると、胃にとって最悪になります。

(3)食後の活動

食後、胃が活発に働くときに、無理に身体を動かすと、胃の血流が不足します。食事を摂って、即仕事、というパターンはありがちですが、よくありません。

5)胃炎に実践できる3つの対処法 

(1)お酒・刺激物を避ける

胃がチクチクするようなら、お酒や刺激物はしばらく控えましょう。

(2)消化の良い食生活

食事も消化のよいものにして様子をみてください。暴飲暴食をやめ、ストレスからくる過食や拒食をしないことです。

(3)食後にゆとりを持つ

さらに食事の時間は余裕をもち、食後はリラックスしてください。横になる場合は、頭を高くして左脇を下にしてください。胃酸の逆流を防いでくれます。

6)胃炎の食事のポイント 

(1)過度な脂肪分・香辛料に注意

なんといっても消化の良いもの、そして栄養のバランスが大切。脂肪分の多い肉類や激辛の香辛料はほどほどにしないと、胃に負担がかかり胃酸の大量分泌につながります。

(2)高タンパク・整腸作用

豆腐や白身魚など、消化がよく高たんぱくの食品を増やしてください。また、胃の中の環境を整えることも必要です。ヨーグルトなど、善玉菌を増やす食品を摂ってください。

(3)適度な食事時間

食事時間を守って、だらだら食いをしないことも必要です。胃を休ませないと、常に胃酸が分泌されている状態は、よくありません。

7)胃炎の検査方法 

(1)問診・触診

内科か胃腸科での診察が適切でしょう。急性胃炎なら、問診・触診で終了です。逆流性胃炎も、問診で診断がつく場合がほとんどです。

初診料・診察料、そして投薬などの治療費合わせても、3割保険で3,000円で収まるでしょう。小学生までなら無料の自治体が多いと思います。

(2)内視鏡検査

これが慢性を疑われると、胃カメラつまり内視鏡検査になります。いまは小さな内視鏡になっていますので、苦しいこともありません。

ただ、病院によって古い大きな器具を使っていたり、上手下手の差があるので、病院の評判はチェックしておきましょう。

当日は食事をせずに行きます。これだけなら3,000円程度です。ただ、検査でポリープなどあやしい病変があると、そこを摘出して生検に出します。悪性腫瘍のチェックをするためです。

ここまでになると検査料も含めて10,000円ほどの出費になります。すべて保険適用内です。

Male medicine doctor hand holding stethoscope head

8)胃炎の3つの治療法 

(1)飲み薬

急性胃炎や逆流性胃炎は、ほとんどの場合,飲み薬で治します。2、3日分ですから、保険のあるかたは1,000円にもなりません。

内容は、胃酸分泌抑制剤、胃粘膜保護剤が主です。これらは市販もされています。逆流性胃炎も、効き目のある薬が保険適応になっています。

(2)点滴

慢性胃炎の場合は、その状況や進行度合いによって、治療はさまざまです。吐き気止めとして点滴を処方されることもあるでしょうし、絶食の必要がある場合は、その期間は栄養点滴もやらなくてはなりません。

早くても1,2週間、長ければ半年かかることもあります。完治するまで、気長に治すことですね。ただ、毎回の金額は2,300円で収まるはずです。

(3)手術

慢性胃炎がかなり進行して、胃が広範囲にびらんしていたり穴があいていると、手術になります。腹腔鏡手術であれば、1週間程度で退院できるでしょう。

手術費用も程度によりますが、保険適用でも3万円は準備が必要です。ほかに入院費もかかります。市区町村で、所得に応じた減額制度がありますので、関係窓口でしっかり手続きしてください。

9)胃炎を日常から予防する3つのポイント 

(1)食事を適量に規則正しく

胃に負担をかけることが胃炎の一番原因です。暴飲暴食、そして肉や脂肪分の多い食事などの偏食、さらに香辛料や濃いコーヒーなど、胃に負担をかける食事を慎むことが一番です。

極端に熱いものや冷たいものを飲むことも、避けてください。

(2)ストレス解消

胃は心理状態と密接に関係します。イライラしたり怒ったり、そんなときには気分転換を図りましょう。けっして灼け食いや拒食にならないでください。

もちろん自棄酒やタバコで気分転換なんて、胃にとっては論外です。温めた牛乳は、鎮静剤の役目を果たす、と言われています。試してください。

(3)運動習慣

胃も運動器官です。つねに全身運動して、体の各部分を適切に動かしてください。とくに逆流性胃炎は、食道の嚥下運動能力の低下が原因、とも言われています。

首を伸ばしたり、体の奥まで動かすようなヨガや複式呼吸も、試してください。ライオンのポーズやひねりのポーズが、胃を動かしやすくしてくれます。インストラクターに相談すると、より効果があがるでしょう。






今回のまとめ

1)胃炎についてよく知ること

2)「胃炎かな」と思ったら、自己チェックをすること

3)症状をしっかり極めること

4)原因をしっかり押さえ、日常から気をつけること

5)症状に応じた適切な対処をすること

6)検査はほぼ保険適用範囲なので、心配しないで医療機関へ行くこと

7)治療は気長に、勝手にやめないこと

8)日ごろから「胃」をいたわる生活をすること

胃腸は健康のバロメーターと言われます。長く胃に働いてもらうためにも、普段の行動がポイントになるようです。いたわりつつ、がんばってもらいましょう。