聴診器で診察を行う医師

排出された便の状態というものは、実は健康状態の重要な情報を持っています。便の色は、前日までに飲食したものの影響を受けることがありますが、下痢で緑色の便が出る原因・症状・対処方法などをお伝えします。






下痢で緑色の便が出るのはなぜ?気になる原因と治療方法とは


1)どんな症状が現れる?下痢で現れる3つの代表的症状

(1)軟便・水様便

通常の健康的な便の状態は、ある程度の形があります。これは、便に含まれる水分量が70%~80%であるためと言われます。その水分量が80%以上になると形が柔らかくなる「軟便」になり、90%以上になれば「水様便」となります。便に含まれる水分は胃腸がコントロールするものですが、そこに何かしらのトラブルが発生することで水分が多くなってしまいます。

(2)発熱

風邪をひいていると下痢が起こる場合があります。これは、風邪を引き起こすウイルスが体内に入り、消化器に炎症を起こしてしまうのです。風邪のウイルスはのどや鼻から入り、徐々に下体へと移っていきます。そのために胃腸に炎症が起き、下痢が起こるのです。体内に炎症が起こるということは、発熱の症状も現れます。

(3)嘔吐

もしも下痢が起こる前に胃のトラブルを抱えている場合は、下痢と同時に嘔吐をすることもあります。胃と腸は消化器官として重要な役割を持つ機関です。胃で消化された後の不要なものを腸へ送り、腸が体外へ排泄できるように整えてゆくメカニズムを持っています。しかし、このバランスが崩れることで、胃腸どちらにもトラブルが同時に発生します。それが深刻な状態であればあるほど、下痢や嘔吐へと発展するのです。

2)下痢で緑色の便が出る原因とは?

便の色は、通常はこげ茶色とされますが、そこに何かしらのトラブルがあれば色にも変化が現れます。もしも血液が混じっていれば、赤みを帯びたり黒くなったりします。それでは、緑色の便が出るのはなぜでしょうか。

(1)緑黄色野菜もしくは青汁、野菜系サプリメントの摂取

本来は体に良いはずの緑黄色野菜や、それに準ずるサプリメント系の健康食品ですが、過剰摂取を行うと腸内に吸収されずに色素が便に表れてしまいます。これらは一過性のものですので、ある程度の接種を控えると改善されます。

(2)胆汁色素「ビルビリン」の酸化

腸の炎症で活動が弱っている際にガスが発生しやすくなります。そうした際に、肝臓から分泌される胆汁色素「ビルビリン」が腸内に吸収されずに放置される状態になります。すると、ビルビリンがガスに触れることで酸化し、その色が緑色の便として現れてしまうのです。実は、このビルビリンが便の色をコントロールしているのです。通常の健康的な便であれば、ビルビリンの数値が正常であることも分かります。腸の炎症の原因は、主に暴飲暴食や風邪などによるウィルスの侵入が挙げられます。

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3)試せる処置はある?緑色の下痢への対処方法とは

(1)暴飲暴食を控える

胃と腸は関連が強いため、胃のトラブルが原因で下痢が起こっていることは十分に考えられます。飲食の量を控えることで、胃を休ませてあげましょう。また、短時間での一気の飲食も、胃腸に負担をかけてしまいます。ゆっくりと時間をかけて飲食を行いましょう。

(2)熱が下がらない、下痢が収まらないなどの症状が続く場合は、早めに病院へ

一過性のものであれば、暴飲暴食や緑黄色野菜、野菜系サプリメントの過剰摂取を控えることで様子を見ることができますが、熱が下がらなかったり、いっこうに下痢そのものが収まらない場合は病院への受診と処置が必要です。他の病気が原因になっている恐れがあります。少なくとも1日は様子を見て、改善されなければ病院へ行きましょう。また、強い腹痛を伴う場合は、日を待たずに、すぐに病院へ行く必要があります。

4)症状が続く場合には・・考えられる2種類の病気とは

(1)肝機能障害

肝臓は消化器官の中では最も大きく、体内の解毒や中和、血液生成やビタミンの貯蔵など、非常に大きな役割を持っています。その肝臓に異常が発生すると、体内にもさまざまなトラブルが発生して「肝機能障害」と呼ばれます。アルコールを好んで日常的に摂取する方に起こりがちな病気です。また、そのような生活を送っていない方でも、ストレスを抱えやすい方のほか、酸性の強い果物の食べ過ぎなど日常の思わぬことが原因となる場合があります。  

ビルビリンとは「古くなった赤血球を処理するための色素」で、その役目を終えると肝臓から消化液の一つである「胆汁」へと形を変えて流れます。通常、このビルビリンは腸内で吸収されますが、吸収されない場合はビルビリンが過剰分泌されている可能性もあります。そのために、余分なビルビリンが腸内で酸化して便の色を緑にしてしまうのです。また、肝機能に異常がある場合は、下痢以外にも皮膚の色が黄色くなる「黄疸(おうだん)」の症状もあります。

(2)食中毒・ノロウィルス

腹痛を伴った緑色の下痢の場合は、食中毒のおそれがあります。このような症状がある場合は、一刻も早く病院に行きましょう。食中毒とは、おもに「食あたり」を意味します。たとえば、生の食材をそのまま食べてしまった場合、その食材に存在していた雑菌が体内へ侵入するため、アレルギー反応を起こしてしまいます。その症状が下痢や嘔吐、腹痛です。ノロウィルスは集団感染しやすいものです。症状は食中毒ですが、その度合いによっては危険ですので、ただちに病院へ行って受診、治療を受けるべきでしょう。

5)専門家での検査を!試される可能性のある検査方法

(1)検便

一般的に内科や消化器科でおこなわれる検査方法です。方法は専用の検査キットを使用しますが、検査キットは非常にコンパクトなタイプです。トイレで排便した際に、便に検査キットの先端を触れさせて検体を採取します。この方法で便の状態を確認するほか、もしもウィルス性の腸炎であれば、原因となるウィルスの検出も可能です。また、排泄物は体内の状態も確認できますので、便に含まれる成分などを検査することで内臓の異常を知ることもできます。費用としては、保険適用内で非常に安価で済みます。

(2)大腸内視鏡検査

胃カメラの腸バージョンと言えるものです。先端に微小のカメラが付いたファイバーを肛門から挿入することで、腸内の様子を調べることができます。消化器系の検査のため、食事制限などの検査当日までの流れを前もって病院側から連絡されます。当日は腸内洗浄を行ってから検査に入ります。個人によりますが、もしも緊張を和らげるための鎮静剤を使用した場合は、検査後1時間は休むことになりますので、トータルで1時間から2時間の所要時間と考えておくとよいでしょう。費用は保険適用内で約5000円程度になります。

Doctor analyzing problem of her patient

6)病気の場合には?行われる可能性のある治療方法とは

(1)整腸剤の投与

本来の正常な排便とは、ビフィズス菌に代表される腸内の善玉菌が老廃物の形を便として整えてくれるものです。しかし、ビルビリンの以上によって悪玉菌が発生し、便の状態が悪化してしまいます。腸内の悪玉菌を退治して善玉菌を増加させるために、整腸剤を投薬します。この整腸剤は、有名な「ビオフェルミン」があります。ビオフェルミンは市販で簡単に手に入れることができますし、病院でも同様の成分が配合された「ミヤBM錠」という整腸剤が処方されます。2・3日間毎食後に服用を続けると、症状が改善されるでしょう。

(2)入院での食事療法

症状がひどい場合は、思うように食事をとることもできなくなってしまいます。そのため、消化器科への診察後、入院が必要になることもあります。その場合の治療方法は、主に点滴による栄養摂取や投薬が行われます。とにかく胃腸の状態を整える必要がありますので、胃のトラブルを解消することも併せて行われます。

下痢は体内の多くの水分が排出されてしまうため、脱水状態を引き起こしがちです。水分補給を控えてしまうという対処が思い浮かぶ方も多いと思いますが、この場合はその逆の方法が必要です。1日だけの短期入院もあれば、症状の具合によって数日入院することもあります。費用はそのケースに応じて異なりますので、事前の説明の際の確認が必要です。

(3)脱水状態を防ぐための水分補給

下痢は体内の水分を必要以上に多く排泄してしまうため、脱水状態になりがちです。「むしろ、水分補給を控えたほうがよいのでは」とお思いになる方もいらっしゃいますが、必要な水分まで出ていってしまう以上、やはり補給は必要です。「水や希釈したスポーツドリンクを少量で口に含む」という形で補給するとよいでしょう。

 7)日常生活から改善を!緑色の下痢への予防ポイント

(1)緑黄色野菜や野菜系サプリメント、健康補助食品に頼りすぎない

日ごろから健康を意識する方ほど、サプリメントや健康補助食品を過剰に利用してしまいがちです。あくまでも日常の食生活がメインであるはずが、サプリメントがメインになってしまっては、しっかりとした栄養補給ができていないも同然になってしまいます。その日の食事とのバランスを考えた摂取を心がけるとよいでしょう。

(2)暴飲暴食を控える

実際に下痢が発生した場合の治療方法でもありますが、やはり普段から心がけておくことで未然に防ぐことができます。特にアルコールをよく摂取する方は、肝臓への負担を考慮して、休肝日を設けるなど体へのいたわりが必要です。

(3)ストレスをためすぎない気分転換を

下痢の場合、ストレス性の胃腸炎から発生することもあります。仕事や日常の疲れが知らず知らずのうちにたまってしまい、症状として発生してしまいますので、未然に防ぐためにも気分転換を心がけましょう。その際、どうしてもストレス発散に暴飲暴食をしてしまう方もいらっしゃいますが、そうなると胃腸への二重の負担になってしまいます。おいしいものや食べたいものも、適度にしておくとよいでしょう。メンタルケアと同時に、胃腸のケアも大切にしましょう。






今回のまとめ

1)どんな症状が現れる?下痢で現れる3つの代表的症状

2)下痢で緑色の便が出る原因とは?

3)試せる処置はある?緑色の下痢への対処方法とは

4)症状が続く場合には・・考えられる2種類の病気とは

5)専門家での検査を!試される可能性のある検査方法

6)病気の場合には?行われる可能性のある治療方法とは

 7)日常生活から改善を!緑色の下痢への予防ポイント