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お腹が痛い、お通じが悪い、血便が出た…等の症状を経験したことはありませんか?大腸の調子が悪い場合、色々な原因が考えれます。症状が続く場合は、医療機関を受診する必要があります。今回は大腸で考えられる病気について原因や治療法を紹介します。 






大腸で考えられる6大病気に要注意!症状・対処方法とは 


1)そもそも大腸とは?大腸の役割と仕組みの紹介 

大腸は長さ1.5~2m程の臓器で、小腸が直径2.5cm程とすると大腸はその2~3倍ほどの太さになります。 片方の端は小腸と繋がっており、もう片方の端は肛門へと続いています。 小腸からは盲腸→結腸→直腸S状部→直腸という部位に分けられています。 内側は粘膜になっているので、便を肛門へとスムーズに運ぶことができるようになっています。 大腸とその周囲には、血管やリンパ管・神経が張り巡らされています。 

(1)水分の吸収 

小腸で食べた物の消化吸収が終ると、大腸ではその消化物の栄養分の残りと水分を吸収します。 

(2)便を形成 

栄養分や水分を吸収された残りカスを便に形成し、肛門まで運びます。 

2)なぜ大腸が病気になってしまう?一般的に考えられる4大原因 

大腸が病気になってしまう原因は様々です。ここでは一般的に考えられる原因を紹介します。 

(1)ストレス 

胃腸は脳の次にストレスを受けやすいと言われています。 ストレスを感じることで、胃腸の働きが悪くなって便通に異常があらわれます。 

(2)生活習慣・喫煙 

偏った食生活や睡眠不足等が原因で、内臓脂肪や中性脂肪が増え、大腸にも影響を与えます。 喫煙は血流が悪くなり、血圧に影響が出たりと様々な病気の要因になります。 

(3)加齢 

加齢とともに胃腸の働きが鈍くなり、大腸にも影響がでます。 

(4)体質(遺伝) 

もともと腸が弱い体質の場合、ストレス等に対する抵抗力が弱く、病気を発症しやすくなります。 また、便秘・下痢体質の場合も、腸に負担がかかってしまうので病気を発症しやすくなります。 

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3)種類の解説!大腸で考えられる主な6種類の病気とは 

大腸の病気でかかりやすい病気はいくつかあります。ここでは代表的な病気の種類を紹介します。 受診する医療機関は、胃腸科・胃腸外科・肛門科等です。 

(1)過敏性腸症候群 

内視鏡検査や血液検査では何も異常が認められないにも拘らず、下痢や便秘の症状が繰り返されたり、腹痛を発生します。 原因は主に、ストレスによる胃腸障害・不規則な生活による自律神経の不安定・遺伝体質と言われています。 応急処置には、市販の下痢止めや便秘改善薬を使用します。しかし常用するのは危険ですので、医療機関での処方が安全です。 過敏性腸症候群と診断された場合は、規則正しい生活とストレスを上手く解消できる工夫をしましょう。 

(2)潰瘍性大腸炎 

大腸の粘膜に炎症がおこり、下痢(1か月以上続く)・血便・腹痛を主な症状とします。これは潰瘍ができてしまう炎症性腸疾患で、大腸全体に広がる場合もあります。 絶食や食事療法で安静にすれば、早ければ1~2か月で 改善する場合がありますが、 潰瘍性大腸炎は原因が分からないことから、特定疾患(難病)に指定されており、現在ではまだ完治させる治療法は確立されていません。10年以上経過した場合、がん化する可能性があるので定期的な診察が必要になります。 また、下痢・腹痛・倦怠感等を伴う「クローン病」があります。 潰瘍が出来たり治ったりを繰りかえすので、こちらも定期的な診察が必要です。 

(3)直腸炎 

直腸の粘膜に炎症が起きてしまう病気です。炎症性の腸疾患の1つであり、最も症状が出やすい反面、適切な検査を行えば診断がしやすい病気です。下痢・粘液便が主な症状で、腹痛や貧血・食欲不振を伴うこともあります。 検査は、直腸鏡や精密な大腸の検査が必要になります。 下痢、粘血便等の症状が見られた場合は早めに受診してください。病気の程度により、手術が必要になる場合もあります。 普段から規則正しい生活を心がけ、アルコールも控えましょう。普段から食事療法を心がけてください。 

(4)大腸ポリープ 

大腸の粘膜から隆起したイボ状のものを言います。初めはごく小さな粒ですが、次第に大きくなっていきます。 大腸ポリープは直腸S状部から直腸にかけてできやすく、大きくなるとがん化する確率が高くなります。大腸内視鏡でたいていのポリープは取ることができます。 初期には症状がなく、ポリープが大きくなると血便などの症状があらわれます。 定期的に大腸内視鏡の検査を受け、病気になることを防ぎましょう。

(5)大腸憩室症 

大腸粘膜の一部が腸管内圧の上昇により腸壁外に袋状に突出したものを大腸憩室と言い、多発した状態を大腸憩室症といいます。 主に便秘による「いきみ」が要因で腸管内圧が上昇し、憩室を作ります。また、加齢により腸管壁が弱くなる事も考えられます。 ほとんどは無症状ですが、時に下痢・便秘・腹痛等を発症します。憩室内に便が溜まり悪化すると、孔が開いたり腸閉塞などを引き起こします。 検査は大腸内視鏡検査やレントゲン検査を行います。 普段から食生活に気を付け、便秘にならないように気を付けましょう。 

(6)大腸がん 

ポリープや腫瘍が大きくなりがん化したものです。排便時の出血・血便・粘液便・腹痛・貧血・食欲不振・体重減少・下痢と便秘の繰り返し等、様々な症状があります。 まずは内視鏡やレントゲン等で検査し、腫瘍の一部を採取してがん細胞かどうかを検査します。 転移の有無を調べる為に、CTやレントゲン・MRI・エコー検査などを行います。 便通や便の様子と共に体調がおかしいと感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

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4)症状チェック!病気かどうかの3つのチェック項目 

大腸の病気は腹痛や血便を伴う事が多く、特に血便の場合は「痔」と勘違いしてしまう事があります。 「単なる痔の出血」と「大腸の病気による血便」との判断は難しいですが、チェック方法はいくつかあります。 

(1)出血の仕方 

痔による出血は鮮血がほとんどです。便器が真っ赤になるくらい出血する事があります。 また、2~3滴の出血の場合はもあります。 一方、大腸の病気による出血は、「便に血がまとわりつく」という状態です。 大腸のどこかの部位からの出血になるので、便が通過する時に血がまとわりつくからです。 

(2)血の色 

痔の出血は鮮血です。肛門からの出血なので赤い色になります。 大腸からの出血は、出血部位が肛門から遠くになるにつれ、血の色は酸化して黒っぽくなります。 しかし、肛門のすぐそばの直腸からの出血の場合は赤い色になります。 

(3)痛み 

痔による出血は、主に肛門に痛みや違和感を感じます。痛みを感じない場合もありますが、その場合の出血もポタポタ落ちる・便器が真っ赤になるという状態です。 一方、大腸の腸管壁には痛覚がないので、ポリープや腫瘍が出来ていても自覚症状はありません。 また、便の色や状態もチェックしましょう。 便に赤い色や黒い色の血・粘液状のものがまとわりついている、下痢が1か月以上続く、便秘と下痢を繰り返す、排便時に腹痛を伴う等、症状がおかしいと思われたら早めに対処してください。 大腸からの出血が原因で貧血になると、倦怠感や息切れの症状があらわれます。 痔だと思い込み放置した結果、大腸の病気が悪化してしまう事が無いように、まずは医療機関を受診することが大切です。 

5)日常生活から改善を!健康的な大腸への3つの予防習慣とは

(1)バランスの取れた食生活 

現代の日本の食生活は欧米化し、肉中心の食事が多くなっています。 食物繊維が多く含まれ食物を摂取するようにし、排便をスムーズに行えるように工夫しましょう。 肥満は大腸に悪影響を及ぼします。太り過ぎないように注意しましょう。 

(2)適度な運動 

適度な運動で代謝を良くし、腸の働きを活発にしましょう。 腹筋の力が無い人は、便秘になりやすくなります。 

(3)規則正しい生活 

睡眠不足や生活リズムがバラバラになると、自律神経が不安定になり胃腸の働きが鈍くなります。 また、便通を感じてもトイレに行くのを我慢していると、便通を感じないようになってしまい、便秘に繋がります。 トイレで排便するリズムを付けることが大切です。






今回のまとめ 

1)そもそも大腸とは?大腸の役割と仕組みの紹介 

2)なぜ大腸が病気になってしまう?一般的に考えられる4大原因 

3)種類の解説!大腸で考えられる主な6種類の病気とは 

4)症状チェック!病気かどうかの3つのチェック項目 

5)日常生活から改善を!健康的な大腸への予防習慣とは